小林さんの私物を拝見! PART1(画像3点)
「ここ(VAN mini)からファッションに目覚めたと言えます。すごくうれしくて。そして、購入するとノベルティをもらえるでしょ」。 余談ながら、いまでは珍しくない購入者へのノベルティをプレゼントするサービスは、VANが始めたものとして知られる。
テイジンメンズショップでアルバイトも経験
中学・高校時代、巷で人気を二分していたVANとジュンを愛好していた小林さんは、大学に入学すると、テイジンメンズショップに憧れるようになる。大学一年生のとき、テイジンメンズショップでアルバイトを始めると、販売の成績もよく楽しい日々が続く。お店にはエイボンハウス、VAN、ケントなどに交じって、ヨーロッパの製品も並んでいた。
アメリカ物以外の魅力も見えてきた小林さんにとって、思い出のブランドのひとつが竹下通りのお店で出会ったジョンスメドレー。非常に高価ではあったが、「それ以上の感動があった」と小林さんは振り返る。大人への憧れが強かった小林さんの思いは、1979年、東京・青山に華々しく登場したブルックス ブラザーズでピークに。この頃、すでにラルフ ローレンにも関心を持っていた小林さんは、ワイドラペルのジャケットや太いネクタイなど、独特のスタイルにも注目をしていたそうだ。

衝撃を受けたアルファキュービック
続くファッションの転機は就職活動の際に訪れた。商社を含め7〜8社を受験していた小林さんは、東京・渋谷の公園通りで、とあるショップに衝撃を受けることに。それが当時、パルコ パート2に店舗を構えていたアルファキュービックだ。
店頭で目にしたのはトレンチコート、ブレザー、シルクのブラウス。いずれもレディスながら余りのカッコよさに「なんだ、これは!」と、たまげた小林さんは、すぐさま公衆電話を探した。
「就職活動をすべてやめて、どうしても、この会社に入社したいと父に電話をしました。当時、アパレルと商社なども受験していて、一部は最終面接に進んでいたのを断って、アルファキュービックに入社したんです」。
小林さんをそれほどまでに魅了したアルファキュービックについて説明をしておこう。アルファキュービックは柴田良三さんが創業したレディスアパレルで、サンローランの日本展開をスタートに多くの最先端のブランドのセレクトも行っていた。小林さんによると、非常にファッション感度の高いファンが大勢いて、高級なインポートブランドなども入荷すると、飛ぶように売れたとのこと。