坂戸さんの私物を拝見(写真3枚)
オールデンを履いて店頭に立つ
入社して最初の配属は渋谷店。「とにかく店頭に立つときはいい靴を履きなさい」との先輩のアドバイスに従って、坂戸さんが選んだのはオールデンのチャッカブーツだ。当時は入荷待ちの状態になるほどの人気で、スタッフにも愛用者が多かった。堅実で上質な一足を履いたときのことを、坂戸さんは「誇らしかった」と振り返る。

ドレスクロージングのスタッフに転属
店頭に立つ坂戸さんが、鮮明に記憶していたコーディネイトを教えてもらった。
「当時はチャッカブーツに合わせるためにパンツ丈が非常に短かったんです。パンツは太目で裾が19cm巾、ダブルの折り返しは5cm。このパンツスタイルは元々、マルセルラサンスが提案していたものでした」
いまでこそ、アンクル丈のパンツは当たり前になっているが、当時は非常に斬新に映ったに違いない。また、裾の折り返し巾を太く強調したスタイルは、割と最近までイタリア人男性やファッション関係者の装いで見かけることが多かった。
その後、店舗が拡張される際、渋谷店3階にドレスクロージングのフロアができることになり、転属を志願。応募は受け入れられて、配置が変わった坂戸さんのファッション観を揺るがす出来事がここで起こる。
