今はブリフトアッシュに持ち込まれている靴は?
一方、品質の変化はどうだろう。持ち込まれる様々な年代のシューズを知る長谷川さん曰く「個体差はあるにせよ、この10〜15年くらいの製品の品質は、変わりません」

幅広い知識を持つ長谷川さんによれば、各ブランドの最新作と、職場のブリフトアッシュに持ち込まれる靴との間には少し時差があるという。とはいえ、最新作が発売され、それをしばらく履いた人が補修やケアに持ち込むのだから、それは当然。いま、ケアの依頼の多い靴について長谷川さんは、次にように語った。
「丸みのある靴が増えていますね。少し、昔ぽい印象のディテールが目立つのは、世の中がカジュアル化したからではないでしょうか。イタリアンブランドがジャージのジャケットを提案したりしていますから。私自身の仕事着はドレッシーなほうが多いです。でも、東京の夏は暑いのでスーツでいるのは、厳しいことも」。
そんな長谷川さんに今後の予想を尋ねると、彼自身の期待がこもったコメントが返ってきた。
「これからスマートな靴が流行るといいですね。カジュアル化の反動でネクタイに合わせやすい靴の、再燃があるのではないでしょうか。海外の人気店に行くと、誰もがバシっとスーツで決めている。アーモリーやデクラム(バンコク)をみると、経営者はみな富裕層の子息。みなさん、余裕があって、遊んでいる印象を受けます。日本人ももっとかっこよくしなければいけないと身が引き締まります」
劇的ではないが、着実に変化を見せる英国靴。古参の愛好家なら変化をキャッチアップしながら、またニューカマーは王道を先達に学びながら。英国靴の楽しみはまだまだ、我々を飽きさせないようだ。
長谷川さんのファッションをチェック!(写真2枚)

ブリフトアッシュ
住所:東京都港区南青山6-3-11 PAN南青山204
TEL:03-3797-0373
営業時間:13時〜20時、土・日12時〜19時
定休日:火曜