
チャーチの提案に注目
「英国製の靴の新作の多くは既存モデルのモディファイに留まるものが多いけれど、驚かされるのはチャーチ。こちらは目新しい提案をしていますよね。これに追随するようにエドワード グリーン、クロケット&ジョーンズあたりも伝統を守りながら、さまざまなニーズに応える動きをみせています。エドワード グリーンが鮮やかなブルー、グリーンといった靴を提案することもありますよね」と長谷川さん。
確かに、ここ数年、チャーチの挑戦的なデザインが多くの愛好家の注目を集めてきたのは、ご存知の通り。また、この3年くらいの間でジョンロブ、チーニー、エドワード グリーンは、特にブランドの若返りに力を入れている印象があるそうだ。実際に、ブリフトアッシュでも、若い人では20歳代から念願の最高級靴を手にする人が少なくない。「いまも、一張羅を、という精神は残っていますよ。大体、高級靴を買い始めるのは30歳代くらいの方が多い。現在は情報が得やすいので、製法やスペックを知ると保守的な英国靴に行きつくのでしょう。そこが英国靴の強みだと思います。一例を言うと、海外で話題のショップ、アーモリー(香港)のオリジナルシューズは英国製でした。絶対的に外せない英国製の強みがあるんです」(長谷川さん)。

そのほか、長谷川さんの目についた変化は、以下のようなものがある。
●エドワード グリーンがパターンオーダーに力を入れているように思える
●チーニーがミリタリーラストの力強いモデルを作っている
●クロケット&ジョーンズがコードバンを積極的に使い始めている。
「コードバンがお好きな方って、たくさんいらっしゃいますよね。これまで、オールデン、アレンエドモンズなどがコードバンをよく使うことで知られていました。日本ではコードバン人気が根強いので、信頼度の高いクロケット&ジョーンズのコードバンとなれば、引き付けられる方は多いと思います。そういえば、トリッカーズもコードバンでカントリーブーツを作っていますね」