ACCESSORY
エルメスならではのモチーフ使いが冴える
いつの時代も遊び心がモチベーション
ネックウェアと並び、エルメスにはジュエリーやアクセサリーにもファンが多い。船のアンカーチェーンに想を得てデザインされたブレスレットの名品、「シェーヌ・ダンクル」が誕生したのは1938年のことだが、昨今、再評価され、目にする機会が増えた。年齢を重ねるごとに、アクセサリーを身に着けることに躊躇するようになる男は多い。しかし、それでも身に着けたいと思わせる何かが、エルメスにはある。察するにその何かとは、気取らぬ純粋な美しさや、そこに込められた遊び心なのだろう。
エルメスのアクセサリーに、宝飾はかくあるべきという押しつけはない。たとえば、写真右のブレスレット「リプレイ」はステンレス製。「シェーヌ・ダンクル」をデフォルメしたデザインで2つのパーツの片方にはPVDコーティングが施されている。モダンで美しく、そしてユニークさに富むクリエイション——男はここに心惹かれ、胸を弾ませるのだ。

ブレスレット:左は、レディスのアイコニックなエナメルブレスレットのメンズ版「クリックHH」。中央のHを回すと開閉する、モダンな趣のモデルだ。右は名作シェーヌ・ダンクルのコマをアレンジしたデザインの「リプレイ」。インダストリアルな雰囲気に新鮮味が溢れる。
カフリンクス:左は上記リプレイと同様、シェーヌ・ダンクルのコマをモチーフにした「ガーンジー」。右はシェーヌ・ダンクルの留め具がモチーフの「フリビュスティエ」。ともにパラジウムプレーテッドの煌びやかなボディに、控えめなアクセントカラーが品よく映える。
タイピン:馬具製作からスタートしたエルメスの象徴的なモチーフ、クルー・ド・セル(鞍の鋲の意味)をあしらった、シンプルにして華やかな一品。
ブレスレットの傑作「シェーヌ・ダンクル」

最もコマのサイズが大きい、「シェーヌ・ダンクル」TGM。素材はシルバー。17万5000円(エルメスジャポン)
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2019年1月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)