きちんと感とは、さりげない”ベストバランス”からくるんです。
スーツの”勝利”とは信頼を勝ち取ることだ
スーツは人前に出る際の”社交の装い”だから「どんな人からも好感を持って迎えられる」ことが大切である。強い趣味性や洒脱さは、ともすると相手に壁を感じさせる。勝負スーツといえども、まずは親しみやすく見えないとイミがないのだ。
当然だが、私たちはスーツを着てショーに出るわけではない。目的は周りの人と打ち解け、円滑な信頼関係を築くこと。着るだけで「信用に足る、きちんとした人」と思ってもらえるのがスーツ最大の恩恵なのだから、その存在感は「ほどほど」がいいのである。
身体に合っていて、身綺麗に見える丁寧な作りであることは大事だ。しかし仕立てのムードが全面に出たり、見るからに高級だったり、ブランドの主張やトレンド感が強すぎる服は人と場を選ぶ。どんな人からも好感を得るには、各要素が程よく優れ、極端でない”オール4″的ベーシックスーツのほうが良い場合もあるのである。実際、写真のラルディーニのように何年も安定した人気を誇るブランドは、そうしたバランスの良さを必ず備えているもの。仕事にまつわるコミュニケーションをスマートにこなしたいなら、このタイプを持っておけば世代やシーンを超えて、長く活躍してくれるだろう。
どんな場所、どんな相手でも好感を持たれやすいスーツが欲しい。
LARDINI / ラルディーニのネイビースーツ

誰でも魅力的に見せる万能ブランドといえばコレ
伊の中部アンコーナで創業し、南部ゆかりの職人技で都会(=北部)的な服を生む”イタリア系バランススーツの代表格”がこちら。ナチュラルで丸い作り、8.5cm前後と程よい太さのラペル、適度に現代的なカッティングで、年代や体格を問わず、整った見映えをもたらしてくれる。スーパーソフトタイプの3B。背抜きで副資材も少ない軽快仕様だが、胸や首周りは端整なラインを描く。