肌を撫でるような滑らかさ。ふんわりと体を包み、優しく暖めてくれる感覚。まさに至福といえる肌触りをもつカシミヤは、上質の代名詞のひとつだ。手頃なものから最高級品まで、そんな”幸せの服”をここに厳選。

そもそも何故高価なの?
カシミヤヤギの”産毛だけ”を集めた素材だから
一見フサフサしているカシミヤヤギだが、実はカシミヤの原料になるのは内側に隠れた「柔毛」と呼ばれる産毛のみ。櫛でかき集めても、一頭あたりの採取量は150g程度。ニット1着を作るのにも約4頭のヤギが必要になるため、大変高価になるのだ。
“いいカシミヤ”とは?
「内モンゴル産」が上質カシミヤの代名詞

上述の柔毛は防寒用に蓄えられるもの。そのため、高山地帯の寒冷地など過酷な環境に生息するヤギからは良質なカシミヤが採取できる。中でも世界最高峰の産地として知られるのが中国の内モンゴル自治区。この産地を冠していれば文句なしの上質だ。
手触りで選ぶポイントは?
“今の最高”と”三年後の最高”どちらを好むか

同じカシミヤでも編み方によって肌触りはガラリと変わる。ぎっちり目の詰まった生地は最初若干硬く感じるが、着込むと糸がほぐれて柔らかくなる。ゆったり編めば最初から柔らかいが、そのぶんデリケートで耐久力に劣る。用途や好みで選びわけよう。
買ってはいけないカシミヤは?
毛がカンタンに抜けてしまうものは要注意

上述のとおり用途に適した編みを選ぶことが選びの基本だが、手で触ったとき簡単に毛が脱落し、短い毛がぱらぱらと抜けるようなカシミヤは注意が必要。耐久性が低く、すぐに生地が消耗してしまうものが多いからだ。試着時に観察してみるとよし。
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2018年9月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)