“スニーカーなのに上品”を生む

ここまでのブランド背景についてはご存じの方もいらっしゃるだろう。ではなぜ今、MEN’S EXがNBを推すのか? 理由はずばり、あらゆる休日服に馴染む品のいいデザインにある。そして、そんな品格あるルックスの元となっているのが、作りのよさなのだ。
ここで、上の写真をご覧いただきたい。写真はアッパーレザーを木型へと吊り込む工程を撮影したものだが、NBのスニーカーはご覧の通り、職人の手作業によって吊り込みがなされる。その仕事ぶりはドレスシューズの製作工程を彷彿させるもの。完成するスニーカーは当然のように端正な表情を湛え、ジャケットスタイルに至るまで、M.E.世代の休日服にすべからくマッチする。かくして大人の品格を保ったまま、スニーカーの快適を享受できるというわけだ。
しかも、普通のスニーカーとは履き心地の次元が違うといっても過言ではない。ユナイテッドアローズの栗野宏文氏をはじめ、NBの履き心地を褒め称えるファッション賢者は多いのだ。
クッション性のよさや安定性に付与する機能を挙げるとキリがないので割愛するが、矯正靴メーカーをルーツとするブランドだからこその完璧なフィットと履き心地への追求姿勢は、前述したアーチサポート構造とともに、ウィズを複数用意したモデルを展開していることからも窺える(1ページの広告がまさにそれだ)。多少足が痛かろうが格好よければOKだった若い時分とは違って、シューズの善し悪しや合う合わないが死活問題となるM.E. 世代にとってはとりわけ、NBは頼もしい存在なのである。
とどのつまりNBのスニーカーはとにかく履き心地がよく、品のよさが求められる大人カジュアルにも、これ以上ないほどに相性がいい———我々M.E.世代がNBを履かない理由はない!ということだ。
数多くの工程を経ることで、美しいスニーカーが完成する(写真3枚)
OM576
生誕30周年を迎えたロングセラー
未舗装路での安定した走行を目的に開発された「500」番台の永世定番といえば、「576」。こちらは生誕30周年を記念してオリジナルの仕様を復刻したモデルの、シックなグレーバージョンだ。英国製。2万8000円
[MEN’S EX 2018年6月号の記事を再構成]
撮影/竹内一将 スタイリング/武内雅英(CODE) ヘアメイク/古川 純 構成・文/黒澤正人 文/秦 大輔
※表示価格は税抜き