スーツな男の新一生定番、「マゼトラ」とは—?

“トラッド”は、いつの時代も男たちを裏切らない。このスタイルでいれば間違いないという不変の魅力がある。だからといってトラッド自体は必ずしも不変ではない。そのときどきの空気感を取り入れて微妙な進化を遂げてきたからこそ、魅力が廃れず、男にとって常に頼れる普遍の存在であり続けているのだ。
トラッドと言っても、今特集でM.E.が提案するのはガチガチのブリトラやアメトラではない。トラッドはもちろんトラディショナルの略。そこから、男服の基準を作り上げた英国や米国の伝統アイテムを思い浮かべる人は確かに多いだろう。それも正解だが、M.E.はトラッドをもっと広義で捉えている。確固としたルーツを感じさせるものであれば、必ずしも伝統のデザインやディテールに頑なである必要はない。むしろ時代に合わせた微妙なアップデートを許容するのがトラッドの本質であり、だからこそ、そのときどきの男の装いのスタンダードとして読者に安心して紹介できるものだと考えている。
そして今の新定番として太鼓判を押せるのが”マゼトラ”だ。たとえば出自は英国や米国ながら、イタリアなど他国のセンスが加わっているもの。あるいはルーツに敬意を払いつつ、新たな感性をMIXしたもの。こういうさまざまなエッセンスを混ぜたトラッドこそ、M.E.世代の男たちがもっとも狙うべきジャンルだと思うのだ。
[MEN’S EX2018年05月号の記事を再構成]
撮影/片桐史郎(TROLLEY)、若林武志、岡田ナツ子、長尾真志、村上 健、杉山節夫、大泉省吾、田中新一郎八田政玄、武蔵俊介、久保田彩子 スタイリング/武内雅英(CODE)、宮崎 司(CODE)、佐々木 誠 ヘアメイク/松本 順(辻事務所)、勝間亮平(MASCULIN) 構成・文/伊澤一臣、宮嶋将良(POW-DER) 取材・文/安藤菜穂子、酒向充英 文/長崎義紹(paragraph)、中河由起恵(paragraph)、吉田 巌(十万馬力)、秦 大輔、安岡将文、池田保行(04)、礒村真介 撮影協力/七彩、新宿パークタワー、パークハイアット東京、リュド・ヴィンテージ目白