ついに! ラミナー初の「完全防水」が登場!

また、アウターブランドのハイテク素材の進化も著しい。
毎シーズン、圧倒的な機能素材×コレクション数を発表して賑わっているヘルノは、今年ブランド創業70周年を迎え、気合いの入ったプレゼンテーション。とりわけ目を引いたのは、ヘルノの主力ラインである「Laminer」シリーズ初となる「完全防水」アウターだ。ダウンパックの縫い目ももちろんシームレスで、ガラスケースの中に吊るしたアウターに水をザブザブかけて見せることでその撥水力は一目瞭然に。通常ラミナーで使用されてきた3レイヤーのゴアテックスでは、
3層目(内側・裏側にくる素材)の素材がシームレス加工に不向きで実現できず、今まではいわゆるステッチの入ったキルティングのダウンでの展開だったため、シームレスにするのがどうしても難しかった。しかし今回はGORER C-KNIT? バッカ—テクノロジーという新素材を採用することで、その問題をクリアし、
シームレスダウン=すなわち完全防水ダウンが誕生したというわけだ。
その他にも、プリントに見えるジャカード織りや撥水ウールなど多数ある中、ロロ・ピアーナの「GREEN STORM SYSTEM」という、地球環境に配慮した加工に変更し「エコ」を謳った機能素材があったのも印象的だった。
ナポリの雄・キートングループのアウターブランドであるキーレッドは、色を利かせたカシミヤとストームシステム等のコンビネーションが面白かった。こちらで使われたロロ・ピアーナも、「STORM SYSTEM LIGHTFLAME」という防水・防風などの機能を天然素材に加えたもの。極めてラグジュアリーでビジネスにもしっかり使える顔でありながら、こうした全天候型のハイテク機能が閉じ込められていたり、かつリバーシブルになっていたり、かつ転写プリントも一部されていたり……と、いまやアウター界は”技のレイヤード”選手権! 外見だけじゃなくライニングやフード裏や襟裏まで見ていくと、驚きの連続なのだ。
また、リモンタナイロン素材のアウター的なテーラードジャケットが人気のアクアラマは、新たにスポンジのように伸縮するメッシュ構造の新素材を開発。こちらもメッシュでありながら撥水?機能を持ち、でいてちゃんと本切羽なジャケット仕様なのが面白い。
一方、ニットブランドも「×テクノロジー」という意味で負けていない。
グランサッソは防水機能を持たせた「Rain Wool」や、ストレッチ力抜群の「Active Wool」など新シリーズのニットを発表。インナーとしてだけでなく、ニットもアウターの役割を十分に果たせる力を持ってきた。