年2回、ミラノで開催される「MICAM(ミカム)」とは Mostra Internazionale Calzature Accessori Macchinari(靴・資材・製靴機械国際見本市)の頭文字をとる、世界最大級の靴の国際見本市の名称。今年2月に開かれたこの展示会に潜入しその全貌をレポートした。
人気ショップのバイヤーと、肝煎りの別注靴を仕込みました
MAGNANNI(マグナーニ):伊勢丹新宿店と別注!

バイヤー中村さんに協力を依頼
中村さん(写真中央)は世界の名だたる靴を取り揃える伊勢丹新宿店メンズ館紳士靴の名バイヤー。ディテールのアレンジなど別注時の交渉の手際はさすがで、通常モデルにはない、デザイン性の高いシューズが出来上がった。
別注ポイント:洗練された都会的なデザインを、トレンドのラウンド型ラストで作製

M.E.別注 限定12足
ブランドの強みであるデザイン性の高さを素材、カラーリング、ディテールなどの仕様で表現。「カーフとスエードの同色異素材コンビや、むら感のある染め方、さらに程よくポイントになるメダリオンで、マグナーニらしい独創性のある靴に仕上げています。それを、同ブランドのなかでは珍しい、トウ先が丸みを帯びたラストと組み合わせました。程良くボリュームのあるラストにすることで、今トレンドのゆとりのあるフィッティングの服に、合わせやすくなっています」(中村さん)。7万2000円(伊勢丹新宿店)
FABI(ファビ):伊勢丹新宿店と別注!

こちらもバイヤー中村さんに協力を依頼
展示ブースにはブランドを経営する家族が揃い、和やかなムードで別注が進んだ。ブランドのオーナーやデザイナーが直接対応し説明してくれるのは、ミカムならでは。日本の展示会ではなかなか見られない光景だった。
別注ポイント:外羽根レースアップシューズを、ドレス感とコンフォートさ抜群に

M.E.別注 限定6足
「絶妙に先が短いスクエアトウ、ヒールの高さとコバを削った改良ラスト、レザーの毛足の短さと、細かい仕様にこだわり抜群のドレス感を与えました。スエードのダービー(外羽根)ながらこのドレス感というバランスが絶妙ではないでしょうか。さらに柔らかいスエードを反り返りのよいボロネーゼ製法にすることで格別に歩きやすく仕上げています」(中村さん)。軽さと底屈曲を損なわないようクッションにも練りコルクを使うなど、副資材にもこだわった。シューツリー付き。7万6000円(伊勢丹新宿店)