IWCの志向、先進性と丁寧なものづくり精神を追求

とどまることなく受け継がれてきた”革新”
ライン河畔のスイス・シャフハウゼンの地に、インターナショナル・ウォッチ・カンパニー(略称IWC)が設立されたのは1868年のこと。スイスの時計ブランドとしては珍しくドイツ語圏にあり、その風土を反映した質実剛健で機能美を追求するスタンスを150年にわたり貫いてきた。
腕時計が、懐中時計に取って変わり始める1930年代には「パイロット・ウォッチ」「ポルトギーゼ」、’50年代には耐磁時計「インヂュニア」、’60年代にはダイバーズ・ウォッチの先駆けとなる「アクアタイマー」、’69年には画期的なクォーツ搭載モデル「ダ・ヴィンチ」など、現在のコレクションに繋がる傑作を発表していく。
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戦後のIWCでは、技術責任者のアルバート・ペラトンが、双方向巻き上げのペラトン・システムはじめ、さまざまな技術革新を実現。その後輩にあたる時計師クルト・クラウスが、クォーツ・ショックからの復興期の’85年に「ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー」を完成させたことは、時計史に刻まれている。
革新のスピリットと真摯なものづくりのスタンスを受け継ぎながら、150周年を機に新ファクトリーも完成させ、IWCはますます充実の時を迎えている。




[MEN’S EX 2019年1月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)