新たな自社開発ムーブメントは必要ない
———既存のラインナップはどうなるのでしょう?
ジョージ・カーン氏:ブライトリングが今まで関わってきた「空」「海」「陸」の領域ごとにジャンル分けを明確にします。さらにそれらどの領域もカバーする「オールパーパス」というジャンルも設けます。ちなみにフラグシップコレクションである「クロノマット」は、このオールパーパスに属す存在とします。そしてどのジャンルにも、”エレガント””エレガント/スポーツ”、”スーパースポーツ”というカテゴリーを設け、それに即したコレクションを展開していきます。
——価格帯はどうなりますか?
ジョージ・カーン氏:現在は3600〜9000スイスフランの間で主要モデルを展開していますが、このプライスレンジから下げることも上げることも考えていません。とても競争の激しいゾーンですが、私の考えるブライトリングのすべてのDNAを過不足なく表現できる価格帯であると考えています。
———ターゲットとするユーザーに変化はありますか?
ジョージ・カーン氏:今までのファン層を大事にしつつ、若い層や女性にも強くアピールしていきたいですね。ブライトリングの歴史やヘリテージをうまく掘り起こせば、それは可能だと思っています。
———自社ムーブメントの開発は今後も続けますか?
ジョージ・カーン氏:逆に質問したいのですが、ブライリングにこれ以上新たな自社開発ムーブメントが必要でしょうか? 現在複数ある自社開発ムーブメントはどれも時計界で絶大な評価をいただき、大きな成功を収めています。また私どもにはバルジューなどの汎用ムーブメントもあり、最近ではチュードル設計のムーブメントも確保しています。これら今あるものを活かせば十分効果的な製品開発ができ、結果コストパフォーマンスに優れた商品をお客様に提供できる。つまり新たなムーブメントを開発する必要はないと考えています。例えばダブルトゥールビヨンやミニッツリピーター、永久カレンダーはトゥーマッチです。
———100%クロノメーターは今後も継続しますか?
ジョージ・カーン氏:もちろん継続します。そこはブライトリングの重要なアイデンティティであり、譲れません。
———日本限定モデルは今後も作り続けますか?
ジョージ・カーン氏:日本からのオファーで作られる限定モデルは毎回センスがとてもいいと感心していました。クラシックでエレガント、そして日本的な美意識が感じられます。こうしたテイストは、今後ブライトリングが目指すべき方向とも合致しますし、何より日本はブライトリングにとって特別なマーケットですから、今後も日本限定は作り続けます。もちろん日本独自のカスタマーサービスである「クラブ・ブライトリング」も変わらず継続する予定。日本のブライトリング・ファンの皆様、これからもどうぞよろしくお願いします。
撮影/岸田克法 文/吉田 巌(十万馬力)
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