一芸に秀でた、知る人ぞ知る名宿をピックアップする当連載。今月の舞台は京都。京都に住まう感覚を体験させてくれるユニークなコンセプトのホテルに注目したい。
京の文化体験【京都府・京都市 | ENSO ANGO】

街の”本当の日常” を個性的な手法で提案
昨今、”暮らすように旅する”という文句がしばしば聞かれる。観光地をあくせく巡るのではなく、じっくり滞在することで真の街の魅力を知ろうとする旅のスタイルだが、昨年京都に開業した「ENSO ANGO」は、まさにその歓びを十二分に与えてくれる一軒だ。
何しろ構造が面白い。ホテルはそれぞれに特徴のある5棟から成り、河原町周辺の徒歩圏内に点在している。ゲストはそれらを回遊することで、京都の街の息遣いを自ずと身近に感じられるのだ。また、5棟のうちの1棟「ENSOANGO FUYA Ⅱ」で実施されるアクティビティもよく練られている。そのいい例が”京職人トーク”というプログラム。京念珠、畳、茶道具、和菓子……京都ならではの文化を受け継ぎ、実直に商いする老舗の職人たちの講話を聴き、その職人の案内で街歩きしつつホテル近隣の店(工房)を訪ねる。そんな趣向ゆえ、京についての見聞が広がり、よりいっそう街に”馴染める”というわけなのだ。
ENSO ANGO ギャラリーを見る(写真6点)
侘び寂びの精神を表現するような畳の間では、建仁寺塔頭両足院副住職の導きによる坐禅や、京畳など”京職人”の業の深みを感じられる”京職人トーク”ほか、アクティビティを開催。筆者は、1764年創業の京念珠店「中野伊助」の第10代目当主による”京職人トーク”を体験。なかなか知り得ない京念珠の世界の奥深さを垣間見て、知る歓びを実感。※このときの様子は、MEN’S EX ONLINEで後日詳しくレポートします! お楽しみに。
ENSO ANGO FUYA Ⅱ

住:京都府京都市下京区麩屋町通高辻上る鍋屋町241-1 TEL:075-746-3697 1泊1万7100円〜(1室2名、税・サービス料込み) ホームページ:https://ensoango.com/
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2019年3月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)