
駅を降りると、すぐ鎌倉五山の第二位・円覚寺の総門へと続く石段が現れる。この円覚寺はご存知の通り、鎌倉時代中期の執権・北条時宗が開基したといわれている。自分でもよくわからないのだが、なぜか子どもの頃から時宗に関心があった。二度にわたる元寇を退けた当時の若き日本のトップだったからだろうか。それはさておき、個人的に思い入れのある寺へ参詣に向かった。


訪れたのは冬の平日。寒い日だったので、観光客も少なくゆっくりと拝観できた。フリーランスで仕事をしていると、こういうときに助かる。石段を登ると立派な山門が見える。仏殿の中には頭部だけだが鎌倉時代の宝冠釈迦如来が鎮座。体は火事にあったそうで、江戸時代に補修されたのだとか。それでも、その迫力ある偉容は訪れるものの心に深く残る。思っていたよりも広くて、あちこちを散策していると途端に空腹感を覚え、仏様には失礼ながらも下山しランチへと向かうことにした。