すすきのの夜は更け、予想外にシメパフェまで堪能

店を出てはす向かいを見ると雰囲気のよさそうなところがある。そこで偶然にも出合ってしまったのが「パフェ、珈琲、酒、佐藤」。シメパフェ発祥の地・札幌でも一二を争う有名店だと、後から知った。普段は行列しているらしいが、ボクが見たときは誰もいなかった。外からのぞくとカウンターに空きがある。これは「行くべし」という天啓だろう。

吸い込まれるように着席し、”塩キャラメルとピスタチオ”のパフェを頼む。パフェの王道”季節フルーツ”や”ショコラとマンゴー”にも惹かれたが、やはり大好物のピスタチオ一択だ。写真ではわかりづらいが、かなりのボリュームで食べきれるだろうかとやや不安になるほど。濃厚な2種類のアイスの下には爽やかな酸味のカシスムース、ミルキーなソフトクリーム、さっぱりとしたリンゴのジュレが層を重ねる。それぞれを別々に食べて味を確かめた後は、いろいろと組み合わせて口中でハーモニーを楽しむ。そうこうしているうちに最初の完食の不安はどこへやら、瞬く間に胃の中へ消えた。ふと見回すと満席で、外には行列もできていた。「そうか、シメだからみんな飲んだ後に来るのか」と納得。寒い札幌の夜に冷たいパフェ。酔狂だが得心した。
つづく
取材・文/藤村 岳