
しかし、この仕事は見ているだけでかなり大変なのがわかる。体力いるでしょ、と訊ねると・・・
「東京に住んでいた頃もモデルの仕事がないときは工事現場とかで働いてました。面白い話があって、一時期東京の新丸の内ビルの建築現場に入っていたのですが、内装も随分できあがってきたころ、現場監督さんが、樅木さんに似た方が一階のお店のポスターになってますよ、と。
あっ!それ僕です。といったらそんな方がなぜここで働いてるんですか!!と驚かれたことがあります。バイトは若いころからガテン系でしたから力仕事は慣れています。それでも農業の仕事に疲れて落ち込んでいた時期もありました」
「しかし、モデルを兼業すると決めてからは、農作業はジム通いと同じでトレーニングになるじゃないか!!と思い直すことができました。そう思ってからは草刈りのことを”クサカリング”と称してワークアウトのひとつとして捉えていますから楽しくこなせています。
現代はSNSが発達しているので、求めれば世界の状況も東京の現在も解るじゃないですか。ですから僕はここ熊本で農業を本業にしていても、モデルとしての自分を保ち続けていたらキャリアも生かせると思うのです。百姓モデルは伊達じゃありませんよ!!」
ひと通りの撮影が終わってカタツムリファームのオフィスでそんな話を聴いていると、こういう人生もいいなぁ?と思ったが筆者にはできそうもない。しかしポジティヴシンキング=陽転思考が大好きな筆者からすれば、また逢う日が楽しみになった。

To be continued.
取材・文/青柳光則 写真提供/Friday