駿河湾に浮かぶ無人島・淡島へ

修善寺から伊豆長岡の駅まで伊豆箱根鉄道で15分ほど。そこからタクシーを飛ばして、同じく15分ほどで海辺にある内浦重寺に着く。駿河湾に浮かぶ無人島・淡島にある「淡島ホテル」への船に乗るためだ。淡島は面積約5万坪、周囲は2.5km、標高137mという小さな島。世界文化遺産の富士山を眺められる絶好のロケーションを誇る。そんな雄大な景色を満喫しに、二泊目の宿を取った。
ところがである、朝方は一瞬日も差したのだが、相変わらずの曇り空。港に着いた時には、再び雨も降り出した。日頃の行いが悪いのだろうか、と嘆いていても始まらない。タイミング良く、島への船が出発するところに間に合った。
宿泊するスタンダードスイート(写真3枚)
全室スイートルームのこのホテル。館内の至るところに絵画や彫刻、ステンドグラスなどアートが設置され、豪華な雰囲気が漂う。密な商談や接待にも利用されると聞いていたが、訪れてみてその理由がわかった。昼間は「あわしまマリンパーク」を訪れる観光客もいるが、夜になると宿泊客のみになる。船でほんの数分とはいえ、無人島ならではの隔絶感が存在する。その非日常的な雰囲気は、霊峰富士とともに訪れる人に何らかの敬虔な気持ちを抱かせる。
今回泊まるスタンダードスイートはファブリック等のカラースキムが6パターンもあるという。そしてバスピローに頭を乗せ、バスタブに横たわると自然と富士山が目に入るように設計されているなど、徹底的に客がくつろげるように計算されている。リピータが多い理由だろう。
そういえば、大人の男性でもゆったり足が伸ばせるこのバスタブ、水量が豊富なのでなんと80秒でお湯がいっぱいに溜まるのだとか。急ぎの時はありがたい。しかもこの水道水は”名水百選”に選ばれた柿田川の湧水である淡島名水。東洋一の湧水量を誇り、古来から命の水と言われているそう。水道をひねるだけでうまい水が飲め、肌にもいい。ペットボトルのミネラルウォーター要らずなのだ。