雨だけど修善寺へ、ぶらり男のひとり旅
ひとり旅がしたくなった。時折、心に浮かぶこの衝動。取り立てて何か不満があるわけではない、でも、ひとりなる時間が欲しい。それにはうまい飯といい温泉、そして心を温かくする酒が欲しい。
都心から近くて、便利なところ、として修善寺に行ってみることにした。実は昨年、わさび田を見学しに訪れた場所。その時は慌ただしかったので、ゆっくり滞在してみたかった。

そうと決まれば、踊り子105号へ。昼前につくのを調べてみると東京駅を9時に出発する。平日ということもあってか、自由席でも余裕で座れた。現行の185系が引退するかもしれないというウワサを聞いた。くすんだ昭和な色合い。かなり古い車両だが、それもまた味わい深い。その鄙びた雰囲気がより一層、旅気分を掻き立てる。ここでビールを一缶あけた。

外は鈍色。どうやら滞在中はずっと雨のようだ。特に観光するつもりもなく、湯に浸かるだけと考えるとそれほど嫌でもない。根府川駅を通過する。東海道線ではめずらしい無人駅だが、ホームから海が一望できるので有名。
ふと後ろの方からスペイン語が聞こえてきた。母娘がガイドブックを出して、ひそひそと相談している。不安な顔で辺りを見回している。そういえば、英語のアナウンスがない。新幹線のように電光掲示板もなく、さぞ不安だろうに。車掌に何かを聞いて不安は解消したようだ。