

ライター・ツルハラ いちばん打ちやすい! 球の打ち出しが高く、他の2モデルより飛距離も出ていましたね。構えたときに安心感があるし、僕が使うなら間違いなくコレです!
鹿又さん ウッド型だけあって、扱いやすい性能ですよね。ネック周りのデザインがうまく処理されていて、構えやすさも感じられます。ただし、ネックの調整機能がスタンダードな状態でオープンフェースですし、ヘッドの重心位置はウッド型にしては浅めに感じました。球がラクに上がるというよりは、前に強く飛ぶクラブです。性能的には「GAPR HI」も上級者向けですね。
ライター・ツルハラ 「GAPR」シリーズは、ヘッド内部を「スピードフォーム」という充填剤で満たしているも特徴です。そのおかげで、3モデルとも打感はとても良かったです。
鹿又さん フェースには弾き感があるのですが、球がフェースにくっついているようなフィーリングが得られます。上級者が好みそうな打感です。

ライター・ツルハラ 総評すると、どのモデルもヘッドスピードが速いゴルファー向け。ウッド形状の「GAPR HI」であっても、僕ぐらいのヘッドスピード(ドライバーで45m/s以上)は必要なんじゃないかと思います。特筆すべきは、どのモデルも引っ掛けづらいこと。僕の場合、むしろ右に飛ばしてしまいがちでした。
鹿又さん もともとユーティリティは球をつかまえやすいジャンルのクラブなんで、上級者に必要なのは叩いても引っ掛けづらい性能なんです。「GAPR」シリーズは、そのあたりも考慮して設計されています。少し専門的な話をすると、ウッド型の「GAPR HI」であってもシャフト先端径はアイアンと同じ9.5mmなんです。「ユーティリティもアイアンのようにしっかり打ちたい」というゴルファーのニーズに合うように設計されています。
ライター・ツルハラ なるほど、まさにハードヒッター御用達モデルというわけですね。万人受けするクラブじゃないから、テーラーメイドもカスタム専用モデルとして限定的に扱っているんでしょう。今回の試打でよく分かりました。
試打した製品の情報はコチラ
テーラーメイド ゴルフ
鹿又芳典/かのまた・よしのり
クラブフィッター兼クラフトマンとして、千葉県内でゴルフ工房【Magic】を経営。長年の経験と知識をいかしたフィッティングとクラフト技術は、幅広いゴルファーから絶大な信頼を得ている。クラブの性能評価においても優れたスキルを持ち、メディアへの出演も多数。
鶴原弘高/つるはら・ひろたか
雑誌やウェブで多くの記事を手掛けるゴルフ専業のライター。もちろん自身も大のゴルフ好きで、最新ギアも大好き。オフィシャルハンデは7。ゴルフギア情報を発信する会員制サイト「3up CLUB」のキャスターも務めている。
https://3up.club
文/鶴原弘高