プロゴルフコーチの奥嶋誠昭氏と、ゴルフ大好きゴルフライターの鶴原弘高氏が最新の注目クラブやシャフトを試打計測。気になる性能を徹底レビュー!
PING i500 IRON
中空構造でシャープな小ぶりヘッド
今までになかったジャンルの飛び系アイアン

ライター・ツルハラ 前回は「i210 アイアン」を試打しましたが、今回はもうひとつの話題の新モデル「i500 アイアン」です。バックフェースは、ご覧のとおり極めてシンプルな形状。まるでマッスルバックのようなクリーンなルックスのアイアンなんです。
奥嶋プロ コレ、打ってみたかったんですよね?。ヘッドが小ぶりで、ストレートネック。構えた感じも完全にマッスルバックですよ。でも、中空構造なんですよね?
中空構造でもコンパクトなヘッドサイズ。トップブレードも厚すぎず、ヘッド形状は「i210 アイアン」にそっくり!
ライター・ツルハラ ええ。そこがいちばんの特徴です。ここまでコンパクトサイズの中空アイアンは、今までになかったですよね。メーカーは”新ジャンルの飛び系ブレード”と言っていますが、7番アイアンでロフト角が29度というストロングロフトの飛び系アイアンでもあるんです。さっそく、奥嶋プロは今回も2パターンのヘッドスピードで打ってみてください!
奥嶋プロ 気合いを入れて打ちますよ。おりゃっ!


ライター・ツルハラ やっぱり、よく飛びますねぇ。
奥嶋プロ フェースがよく弾きます! ストロングロフトだけど、打ち出し角も高いですね。ただ単にロフトが立っているだけじゃ、こんなに球は上がりませんから、これが中空構造ゆえのメリットなんでしょう。
ライター・ツルハラ 中空構造で薄肉フェースになっているので、インパクトでフェースがたわむそうです。そのたわみがボール初速をアップさせるとともに、ボールを上方向に押し上げる効果を持っているんだとか。
奥嶋プロ なるほど?。最新テクノロジーが搭載されていて、すごい進化していますよね。では、ツルハラさんもどうぞ!

ライター・ツルハラ 今回も右に飛ばしてますが、これは僕のスイングのせいです(笑)。ヘッドの大きさや形状は「i210 アイアン」とウリふたつと言っていいぐらいに似ています。「i500 アイアン」は、ただロフトだけが立っているだけで、とても構えやすい。打ってみると、飛ばせるだけでなく、直進性も高いように感じました。
奥嶋プロ フェースが向いている方向に、まっすぐに飛んでいきますよね。フックを打っても、ドローで収まる感じです。ヘッドの動きに安定感があって、見た目よりも格段にやさしく打てます。ただし、ボールのつかまりはほどほどです。スライサーよりフッカーのほうが扱いやすいかも。
ライター・ツルハラ 打感に関しては、「i210 アイアン」のほうがマイルドで感触がいいなぁ。
奥嶋プロ 同感です。飛ばしたいなら「i500 アイアン」。フィーリングと操作性を重視するなら「i210 アイアン」という選択になるでしょうね。


ライター・ツルハラ とはいえ、昨年にピンから発売された中空構造アイアン「G700 アイアン」よりも、はるかにフィーリングが良くなっています。打感をやわらかくするためには、ヘッドの内部に振動吸収材を入れる必要があるのですが、打感を優先して入れすぎると肝心のフェースの弾きの良さが損なわれてしまうんです。この「i500 アイアン」は、飛距離を犠牲にしない範囲での打感の良さを追求したそうです。
奥嶋プロ そういうことなんですね?。納得しました。
ライター・ツルハラ 見た目がシャープなアイアンを使いたいけど、今よりも飛ばしたいというゴルファーには最適なモデルだと思います。この「i500 アイアン」と「i210 アイアン」、どちらも人気モデルになりそうです!
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奥嶋誠昭/おくしま・ともあき
JGTOツアープレーヤー資格を持ち、プロコーチとしても活躍中。横浜市都筑区にあるヒルトップ横浜クラブ内の「ノビテック・ゴルフスタジオ」でヘッドコーチを務め、弾道計測器フライトスコープ、3DモーションキャプチャーGEARSなどの最新機器を使ったレッスンをアマチュアにも展開中。
http://www.nobby-tech.co.jp/swinggear/
鶴原弘高/つるはら・ひろたか
雑誌やウェブで多くの記事を手掛けるゴルフ専業のライター。もちろん自身も大のゴルフ好きで、最新ギアも大好き。オフィシャルハンデは7。ゴルフギア情報を発信する会員制サイト「3up CLUB」のキャスターも務めている。
https://3up.club
文/鶴原弘高