これが近未来型エクササイズだ!(写真4枚)
はた目から見ている分には、通常のストレッチ・エクササイズのような動きなのだが、電流によって特定の筋肉や部位に負荷がかかっているので、最初の数分ですでに汗だく。5つのエクササイズで15分というのは、トレーニングとして短いように聞こえるが、かなり濃密であることがやってみれば分かる。今回の15分プログラムは基本的に速筋に効くタイプで、体のラインを整える「見せ筋」を鍛えるのに効果的だとか。
だがSix Padステーションのトレーニングツールは、IoTの応用でもあり、各個人のトレーニング履歴やレベルを蓄積して、さらに一人一人に向けた個別メニューにも発展させることが可能。いわば1回わずか15分枠のごく短いトレーニング・メニューをこなすことで、短時間のうちに最大限の高い効果が得られるトレーニングジム。それがSix Padステーションのコンセプトであり、そこに従来型ジムより進化した近未来を感じて欲しいという訳だ。

とはいえSix Padステーションが提案するのは体を短時間で鍛え上げることだけではない。全世界500店舗を目指すだけに、日本独自にウェルネス・プログラムもある。茶室にも似た低い扉構えの、マットなウッドとコンクリートで構成された空間。それがトレーニング後の瞑想プログラムが行われる「ZENROOM」だ。

ほとんど光の入らない4畳半ほどの小部屋で、半円形の台座スペースが突き出した先は、壁の継ぎ目が滑らかに繋がれた180度以上のスクリーンになっていて、そこにプロジェクション・マッピングの投影と音声による瞑想プログラムが始まった。トレーニング後の身体は興奮して交感神経が優位の状態にあるそうだが、心身をここで落ち着かせ、副交感神経が優位の状態にするという。
プログラムの声に従って、座り姿勢を正して呼吸を落ち着け、雑念も払うように努める。何でも室内には赤外線センサーが配されており、瞑想に入る本人の心身の状態を総合的に分析して、プログラムは進行するのだとか。自然の音やヒーリングミュージックのような効果音の中、「心身とも空っぽ」にすることの大事さが説かれつつ、最後の方は上下左右に映し出された宇宙の星々がグルングルンに回っていた。瞑想の後には、この辺りでは珍しいといえる中庭を眺めながら、縁側のようなスペースに腰かけてほうじ茶をいただくこともできる。ZENROOM体験はトレーニング毎ではなく、人によっては時々挟むオプションとなるだろうが、海外でどのような反応があるか、楽しみなところではある。

7月にグランドオープンを迎えたSix Padステーションは、ひとまず初回トライアル3000円(税別)のEMSトレーニング体験を行っており、こちらは公式サイト上で予約申し込みができる。1回だけの単発利用はその後、8000円(税別)となるが、月々の継続プランは店頭のみでの案内となる。トレーニングにこれまで縁のなかった人だけでなく、すでに通常のジムでトレーニングしている人も、話のタネに体験してみるのも一興だ。
撮影・文/南陽一浩 写真/Six Pad ステーション 編集/iconic