露天風呂から桜の花見が楽しめる/一度は泊まりたい一芸宿「ふきや」神奈川県・湯河原

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料理、部屋、お風呂……ほかにはない “一芸に秀でた” 宿に泊まるということは、即ち、日常にはないエクストリームな体験ができるということ。そんな知る人ぞ知る名宿を紹介していく。

花見露天 ? 神奈川県・湯河原|ふきや ?

鮮やかに咲く桜を眺めながらの花見露天風呂
1階には岩造りの露天風呂を備えた2つの大浴場があり、片方の外には桜の木が。やわらかな泉質の湯に身を任せながらの花見は得も言われぬ贅沢だ。

東京の奥座敷・湯河原で桜を愛でつつ温泉三昧

東京駅からJR東海道線で約90分。大磯駅を過ぎ、相模湾の大海原を左に見やりながらしばらく進むと湯河原駅に到着。そこからクルマで数分の山懐に抱かれるエリアは、古くから文人や政財界の要人に愛されてきた正統派の温泉街だ。街を流れる千歳川沿いには日本旅館が建ち並び、路地裏には昭和の風情がそこはかとなく漂っている。

そんな歴史ある温泉地に、花見と露天風呂を同時に楽しめる、贅沢な趣向の宿が存在する。昭和10年創業の「ふきや」だ。坂道を登り、山肌に添うように位置するその建屋に足を踏み入れれば、そこは、和の設いと北欧の家具が見事に融合したノスタルジックな世界。館主・山本一郎氏の趣味によるもので、フィン・ユール、オーレ・ヴァンシャー、イブ・コフォード・ラーセンといった巨匠による美しい椅子が、館内の随所に配されている。

さて、肝心の “花見露天” はロビーから下った1階にあるのだが、これがなんともよく出来ている。惚れ惚れするような枝ぶりのソメイヨシノが、風呂より低い位置に植わり、湯船に浸かると、目線と同じ高さで薄桃色の花を愛でられるのだ。

「枝を少し剪定したので、今年の春は、桜と、その向こうに連なる箱根の外輪山を一緒に眺められるはずです」と館主。なお、その見頃は、例年3月下旬から4月上旬にかけて。春だからこそ叶えられる特別な湯浴み、試してみては?

湯河原の温泉旅館 ふきや

住所:神奈川県足柄下郡湯河原町宮上398
TEL:0465-62-1000
客室:全20室
チェックイン:15時〜、チェックアウト:10時30分
料金:1泊2食付き 1名3万円〜(※1室2名利用時、サ込税別)
ホームページ:https://www.yugawarafukiya.com/






取材・文/甘利美緒

夕食の一例。春の恵みを盛り込んだ端正な懐石料理。

夕食の一例。春の恵みを盛り込んだ端正な懐石料理。

数寄屋造りの名手・二村和幸氏が手掛けた客室も。

数寄屋造りの名手・二村和幸氏が手掛けた客室も。

湯上り処には、デンマーク家具デザインの巨匠、フィン・ユールの名作チェアが。

湯上り処には、デンマーク家具デザインの巨匠、フィン・ユールの名作チェアが。

個室の岩盤浴。

個室の岩盤浴。

3階の貸し切り露天風呂は檜造り。開放感満点だ。

3階の貸し切り露天風呂は檜造り。開放感満点だ。

ふきや 宿全景

ふきや 宿全景

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