初日(11月20日)
超走りやすい道に感動しながら阿蘇の雄大なパノラマを満喫

7時30分、羽田空港のANA熊本行きカウンター前にて3人は揃いました。各々装いは、YSP菊陽にてバイクを引き取ったらすぐに走り出せるようなスタイル。ちなみに阿蘇は寒いと聞いていた吉田はムートンジャケット+革パンの重装備としたところ、奇しくも青柳さんも似たような出で立ち。長谷川さんは機能系のガチなツーリングウェアの上下でした。周囲から若干浮いている気がしないでもないチーム青柳ですが、まぁそこはしばらくの我慢です。なお着替えなどはあらかじめ宿泊先ホテルに宅配便で送っているため、機内預けにする大きな荷物はなく、一同スムースに機中へ。

3人横並びの席で今回のツーリングルートやら夜の食事やらをネタにワイワイやってるうちに、あっという間に阿蘇くまもと空港へ到着。青柳さんの前回の訪熊では空港ビルは震災のダメージが色濃く残っていたそうですが、今ではすっかり回復。多くの旅行客で賑わう様を見て、青柳さんもどこかほっとした様子でした。


空港からタクシーでYSP菊陽へ向かい、予約していた3台のバイクをピックアッブ。車種は「MT-09 TRACER」、「MT-07」、「YZF-R3」。それぞれ最新鋭のヤマハバイクであり、当然ながら整備もプロのメカニックの手によりバッチリ。唯一の不安は試乗もしたことのないお初のバイクに中年ライダーの肉体がうまくフィットするかということでしたが……今のヤマハってめっちゃ乗りやすいんですね! 5分も走ればギクシャク感は消え、まるで昔から乗っていたバイクのように扱えました。とはいえまだ走り出したばかり。油断は禁物です。


大きなMT-09 TRACERを軽々扱う青柳さんの先導で菊陽バイバスを進むと、ほどなく大観峰に向かうミルクロード(県道339号)の入り口へ。なるほどYSP菊陽は空港から近いだけでなく、阿蘇のワインディングにも近い。さすが青柳さんのプランニング、無駄がありません。


ちなみにミルクロードとそれに繋がる阿蘇スカイラインは、阿蘇市をぐるりと囲む広大な外輪山の北側を走る県道。近くに放牧される牛さんたち、遠くにどーんと広がるカルデラ盆地を眺めながら快走できる大変気持ちのいい道でした。またロケーションばかりか道そのものも素晴らしい。私が普段チョロチョロ走っているワインディングは高低差がきつく、ひゃっとするタイトなブラインドコーナーも多数。その点このあたりの道は適度にくねった大草原の中の一本道といった感じで、視界がどーんと開けてコーナーの先が見渡しやすいんです。しかも道幅が広く、舗装もしっかり(&火山灰もまったくなし)とあれば、腕に自信がない私のような者でも問題なく走れてしまうのです。

てなわけでスルスルッと標高936mの大観峰に到着。ここは北外輪山の最高峰。絶景が楽しめる阿蘇ツーリングのメッカだけあって多くのライダーで賑わっていました。一行はミシッと粗挽き肉のつまった名物のソーセージをかじりながら360度のパノラマをしばし堪能。少々ガスってる中でも、阿蘇五岳や九重連山のシルエットはしっかりとわかり、阿蘇の壮大さを改めて実感できたのでした。

その後は再び阿蘇スカイラインに戻り、一気に阿蘇神社まで……のつもりでしたが、どうやら、途中のやまなみハイウェイを逆の大分方面に走ってしまった模様(涙)。3日目にも阿蘇を走る予定のため、お楽しみはそこまで取っておくことにして、三愛高原のレストハウスで軽く昼食をとったところで道を引き返し、一路、熊本市内の宿泊先を目指したのでした。

我々が今回の旅の拠点にしたのは、熊本城や繁華街にほど近い、辛島町の「ネストホテル熊本」。ホテル眼前には監視の行き届いた市営のバイク駐車場もあり、ツーリングライダーに非常に便利な立地です。

早々に着替えを済ませた一行は、地元で評判の隠れ家的な焼き鳥屋さんにて初日の打ち上げ。ここでは青柳さんの古い知り合いで、若い頃はスタイリストとして活躍されていたという熊本在住の気っ風のいい女性も合流。快走の疲れ、そして女史の「オヤジのライダーズ姿はときに痛い」というたいへん含蓄に富んだ意見も染み渡り、一行はイイ感じに酔っ払っていったのでした……。(第2回に続く)