トリュフのパスタに赤ワイン、音楽はツェッペリンだけの美食空間「OUT」

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“究極の引き算”で設計された美食空間
東京・渋谷「OUT」

　若者で溢れる渋谷の街を敬遠するようになって久しいというミドルエイジの男性は多いだろう。が、実は今、宮益坂を登った先の渋谷2丁目エリアは、落ち着いた雰囲気を漂わせる隠れた名店が多いとあって、夜な夜な、世慣れた大人たちで賑わいを見せているのだ。

その中で特に注目すべき旬の一軒と言えば、2017年7月にオープンしたばかりの「OUT」だろう。なにしろ「One dish. One wine. One artist.」というコンセプトが斬新かつ大胆。提供する料理はシーズンベストのトリュフを使った自家製フレッシュパスタのみ、ワインはその時のパスタに最も合う赤ワインのみ、そして店内で流す音楽はレッド・ツェッペリンのアナログサウンドのみ、という潔さなのである。

しかも、だ。店の入り口にはいかにもSNS映えしそうなスタイリッシュな自動券売機が鎮座している。客はそこでパスタやワインの食券を購入し、カウンター席に腰を落ち着けるのだ。まさにラーメン屋でお馴染みの流れだが、一皿2900円のパスタでやるとなんとも新鮮でワクワクさせられるから面白い。1軒目として楽しむのはもちろんのこと、深夜まで営業しているので、〆ラーメンならぬ〆パスタを食べに来るのも乙だ。

モノが溢れる現代はとかく足し算をしがちであり、かたや引き算をするのは勇気が要るが、だからこそ、「OUT」の無駄を削ぎ落したミニマルな在り方は垢抜けているように感じられる。部下や同僚に教えてあげれば、貴男が一目置かれるのは間違いない。