パリの敏腕テーラー・鈴木健次郎さん来日! 「空気を纏うような着心地」のスーツは、どうやって作られる?

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「フランス流クラシック」な、スーツスタイルの極意とは?

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森岡:コーディネートについてもお伺いしたいのですが、パリの方たちの、好むスーツの着こなしとはどんな感じなのですか?

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鈴木:フランス人は、「ドクラシック」な装いを好みます。ダークカラーのスーツに白シャツ、無地のタイ。これがかなり基本のスタイルです。ネクタイとチーフの色柄のトーンを揃えることも重要します。その中でも、個々に自身のスタイルを持っているので面白いですね。ずっとツイードしか作らない人などもいます。

生地選びや裏地選びも、ビスポークオーダーの醍醐味

森岡:日本で、鈴木さんにオーダーするときはどんな感じのやりとりをされるのですか?

鈴木:「どういうシーンで着ますか?」という背景を、しっかりとお話しします。その人の仕事のシチュエーションの中で、一番、自分らしくいられる服を作りたいと思うんです。個々にスタイルや好みがあると思いますが、第3者から見たときに意外にその人らしくて引き立つスーツもあります。あとは、インターナショナルな場で、世界のどこの三ツ星のレストランに行っても恥ずかしくない、「Bravo!」と言われるようなスーツを作りたいと思っています。

森岡:これはビジネスパーソンのスーツにとっても、本当に重要なことですね! 私も今度是非、1着作ってみたいです!

鈴木:「バーカウンターで左腕をついたときに、とにかくカッコいいスーツを作ってください」という注文を受けたこともありますよ(笑)。どんなオーダーでも、最適なスーツをご提案しますので、是非オーダーしに来て下さい!

鈴木健次郎さんご自身の、ビスポークコレクション

■KENJIRO SUZUKI オーダー会

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期間:2月26日(火)まで
価格:スーツ(シングル2ピース)86万円(税抜)〜
納期:2回の仮縫いを経て、約1年後のお納め予定
場所:和光 本館4階
住所:東京都中央区銀座4-5-11
TEL:03-3562-2111(代表)
http://www.wako.co.jp



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撮影/岡田ナツ子 文/平澤香苗(MEN’S EX ONLINE)

「フィッシュマウス」という名の通り、魚の口が開いたようなラペルの形は、フランスのスーツらしい特徴。フィッシュマウスに対し、グッと下がったゴージの傾斜もインパクト大。襟元の存在感が出る。

「フィッシュマウス」という名の通り、魚の口が開いたようなラペルの形は、フランスのスーツらしい特徴。フィッシュマウスに対し、グッと下がったゴージの傾斜もインパクト大。襟元の存在感が出る。

後ろ姿も特徴的。サイドベンツがかなり深く取られていて……

後ろ姿も特徴的。サイドベンツがかなり深く取られていて……

ベンツをめくってみると、後ろの生地にはしっかりと折り目をつけてある。これによってベンツがよれたりせず、すっきりと美しい後ろ姿が完成。表面の生地はかなりクラシックでありながら、普段は見えない部分の裏地に遊びを入れる提案も鈴木さん流。

ベンツをめくってみると、後ろの生地にはしっかりと折り目をつけてある。これによってベンツがよれたりせず、すっきりと美しい後ろ姿が完成。表面の生地はかなりクラシックでありながら、普段は見えない部分の裏地に遊びを入れる提案も鈴木さん流。

チェンジポケットなども位置が高くフラップも太めでインパクトがある。

チェンジポケットなども位置が高くフラップも太めでインパクトがある。

縫う前に、1本分のパンツ生地に縫う前にアイロンをかける作業はおよそ50分もかかる。

縫う前に、1本分のパンツ生地に縫う前にアイロンをかける作業はおよそ50分もかかる。

全身の力を込めて、足の張り出している部分は立体的になるように生地を伸ばしていく。

全身の力を込めて、足の張り出している部分は立体的になるように生地を伸ばしていく。

伸ばしたあとに側面から見ると、アイロンで伸ばした部分は、生地が平面でなく立体的になったのがよく分かる。

伸ばしたあとに側面から見ると、アイロンで伸ばした部分は、生地が平面でなく立体的になったのがよく分かる。

さらに部位によっていろんな方向に伸ばしながらアイロンをあてていく。

さらに部位によっていろんな方向に伸ばしながらアイロンをあてていく。

腿のあたりもかなり立体的な波うちが出来る。

腿のあたりもかなり立体的な波うちが出来る。

時々水を含ませながら、、、

時々水を含ませながら、、、

湾曲が強い部分はかなりグイッとプレス。

湾曲が強い部分はかなりグイッとプレス。

伸ばした部分を作る一方で、、、

伸ばした部分を作る一方で、、、

縮める部分も作る。これにより身体にフィットしていく生地の形が出来上がる。

縮める部分も作る。これにより身体にフィットしていく生地の形が出来上がる。

長時間かけてアイロンしていくと、平らだった布にかなり複雑な立体が出来る。

長時間かけてアイロンしていくと、平らだった布にかなり複雑な立体が出来る。

横からみても、かなりの盛り上がり。

横からみても、かなりの盛り上がり。

膝から上、お尻の部分にかけてはかなりの湾曲があるので、、、

膝から上、お尻の部分にかけてはかなりの湾曲があるので、、、

ストライプのラインも、アイロンで伸ばした後はかなりカーブしているのが分かる。

ストライプのラインも、アイロンで伸ばした後はかなりカーブしているのが分かる。

右がアイロン前の平面的なストライプ柄、左はアイロンをかけて立体化させた後のストライプ柄。かなりラインも変わって身体の線に沿った形になったことが分かる。生地を縫う前の段階でこうした手間をかけることにより、身体にぴったりフィットした着心地のスーツを作ることが出来る。

右がアイロン前の平面的なストライプ柄、左はアイロンをかけて立体化させた後のストライプ柄。かなりラインも変わって身体の線に沿った形になったことが分かる。生地を縫う前の段階でこうした手間をかけることにより、身体にぴったりフィットした着心地のスーツを作ることが出来る。

英国調のフランネル系から艶感のあるイタリア系の生地まで多様に揃う。

英国調のフランネル系から艶感のあるイタリア系の生地まで多様に揃う。

「どのようにスーツを着たいか」といったTPOを相談しながら、生地選びから鈴木さんに委ねるのもありだ。

「どのようにスーツを着たいか」といったTPOを相談しながら、生地選びから鈴木さんに委ねるのもありだ。

和光のスタッフの方も、鈴木さんのスーツにひとめぼれ。ネイビーのクラシックなスーツだが、これぞ世界のどこに着て行っても恥ずかしくない佇まい。

和光のスタッフの方も、鈴木さんのスーツにひとめぼれ。ネイビーのクラシックなスーツだが、これぞ世界のどこに着て行っても恥ずかしくない佇まい。

表面はクラシックながら、裏地でかなり遊びを入れるのもビスポークスーツの醍醐味。

表面はクラシックながら、裏地でかなり遊びを入れるのもビスポークスーツの醍醐味。

2025

VOL.345

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