
加藤徹底していますね。経営者は道化役になるべきだと気づくきっかけでもあったのでしょうか。
堀江具体的には何も。ただ、起業してわかりました。経済は合理的に動いているようで、意外とそうでもない。投資効率の良さは投資を決定する際の必要条件ではあるものの、十分条件ではない。こいつの人生に一枚噛みたいと思わせる人間力が肝になるのだ、と。繰り返しになりますが、売れる漫画はよくできていますよ。『ワンピース』もそうですもん。ルフィ、おどけているでしょ。
加藤そういえば、先日、原作者の尾田栄一郎さんにお会いする機会がありました。今まで良い人脈をたくさん築かれてきて、だからこそああいう素晴しい作品を描けるのだと感じました。
堀江素敵ですね。僕は偉くなることに興味がないんです。お金持ちのてっぺんを目指す人がいる一方で、失敗したり成功したりの紆余曲折を楽しんでいる。
加藤冒頭で「失敗したら魚釣りでもして暮らせばいい」とおっしゃいましたが、それは堀江さんがお金にあまり執着していないがゆえの発想なんですね。
堀江でないと、30億円を3ヶ月で使い切るような大勝負にはとても出られませんよ(笑)
加藤そりゃそうですね(笑)。しかし、それにしても素晴らしい調達力。何かテクニックでも?
堀江すごくシンプル。相手の心を掴むことです。プレゼンテーションの際も僕は資料を読まないことにしていますね。
加藤すごい。すっかり頭に入っているんですか?
堀江とも限りません。むしろ暗記する必要はないと思っています。大切なのは要点を伝えること。それに、一字一句、正確に読もうとすると、声の調子が固くなる。それってリアリティに欠けると思うんですよ。
加藤同感です。原稿を読むときより、ふっと湧いてきたことを素直に表現するときの方が、言葉が生き生きする。心に響きますね。
堀江この間も群馬の母校で講演を頼まれたんですが、高校生の心を掴むのが一番のゴールだなと思って、「君たちもおっぱいを見るためだったらなんでもするでしょ? 夢というのは、それだけナチュラルに、心の底から渇望するものだ」なんて、先生方が真っ青になるような話をしてきました。
加藤反応はどうでした?
堀江大ウケでした。相手が高校生だろうとなんだろうと、他人の時間をいただいているわけですから、退屈に思われたら負け。僕は、それを仕事ができない、と捉えます。逆に、相手の気持ちを汲み取れればこっちのもの。料理ができない人の気持ちを察するのも、料理できるようになった人が次に何をやりたいかを推し量るのもそう。その解決策を「クラシル」は提案する。だから、評価をいただけるのではないでしょうか。

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