
資本力のないベンチャーがゼロから証券会社を設立するのはとんでもなく大変だったと察するが、資金調達や関係省庁との交渉などの重要な局面を、持ち前のタフな精神力で乗り切った。
「負けず嫌いなんです。当時アルバイトをしていたとき、”京大生”というステレオタイプで見られたくなく、運動にも自信があったので、それを明確に表現できるボクシングライセンスを取得しようと考えたのがきっかけです。思いのほか相性がよかったのか数ヶ月で取得。その後休学して新人王トーナメントに挑戦するほどのめりこんでしまったのは想定外でしたが(笑)」
会社設立までの過程でとくに記憶に残っているのは、シリコンバレーの投資家を集めてのプレゼンテーションだ。投資家から資金が調達できなければ、その後の道のりは厳しいものとなる。
「スタートアップの経営者がスーツを着てプレゼンするというイメージはあまりありません。しかしこれは、人生のかかったプレゼン。誰も望んでいないのに、気合いを入れるためスーツで臨んだんです。ここが僕の会社のスタートだという意気込みでした」