パーティ中で注目された、ミッソーニ流・ブラックタイの着こなし方

平澤:ジャコモさんは、インスタグラム(@giacommomissoni )も、積極的にポストされていますよね。その中から、私が気になった写真についていくつか伺いたいです。
ジャコモ:えっ、インスタも見てくれているの? ありがとう、嬉しいな。どの写真でしょう?
平澤:まず、このパーティスタイルについて。「Black Tie」でこのスタイル、凄くカッコいいですね!
ジャコモ:これはイタリアンVOGUEのアニバーサリーパーティの時のスタイルですね。普通、ブラックタイというと、みんなブラックかネイビーのスモーキングなどを着てきます。でも、この場はファッション業界の、モードな人たちが多かったので、その中で「ミッソーニらしさ」を出したいなと思い、自分用にスペシャルオーダーしたニット地スーツです。メタルのように艶のあるネイビーの糸を使っているので、パーティ会場でも光が当たると美しい光沢を放ち、会場の人たちからも話題になりました。中には、シルクのシャツを着て、エレガントさを出しました。
平澤:ジャコモさんのような、フォーマルの自由度、楽しみ方がもっと日本でも広がったらいいなと思います! そして次! お祖父さんのオッタヴィオさんのセリフが気になりました。

平澤:“When you put colors together, they need harmony. Nature does this better than anyone”. ——この台詞に込められた意味とは?
ジャコモ:祖父のオッタヴィオ・ミッソーニほど、「色」を知っていた人は他にいないのではないかと、私は思います。色に関して、彼は特別な感性を持ったアーティストなんです。毎シーズン、ミッソーニのコレクションには数多くの色が使われますが、これだけ多くの色を使うとき、一歩そのバランスを間違えると、ぐちゃぐちゃになってしまう。そのバランスを美しく取ることが大切ですが、それは、自然界の色の組み合わせほど素晴らしいものはない、ということです。たとえば海岸の砂の色、海岸沿いに咲く草や花の色、海の色、そこに差す光の色。そうした自然界の、ナチュラルな色のつながり、組み合わせをとても意識しています。
平澤:そうしたカラーリングを、毎シーズン研究しているんですね。
ジャコモ:今でも、ミッソーニの服は、デザインでなく「色」からスタートして作られているんです。糸の段階から、その糸にどんな色を混ぜていったら、理想の色合いになるか、それらが柄になったとき、最終的にどんな美しい色の組み合わせになるか。これがとても大切です。