
おそらく24.5センチくらいの小ささなので、誰も履けないと思ったのか、まるで僕を待っていてくれたかのようなその出会いに感謝である。 靴の中敷きを見てみるとアメリカ靴の王者と言われた”フローシャイム”のハンドソーンもので、フローシャイム・インペリアルの銘品であった。
値段を聞くと破格の45ドルとの答えが返ってきたが、一応値切るのがこのヴィンテージ・サファリのお約束である。 「ベストプライスを出してくれよ」というと、剽軽な店主が「それじゃ44ドルでどうだ」と返してきて、お互いに大笑い。 「40ドルなら買いだね」とかえすと「まあいいだろう」ということで、なんとミント・コンディションのクロコ・シューズを、びっくり値段で手に入れることができた。

この店の名前がまたふるっていて、”ピックポケット・ヴィンテージ”という。 「掏摸(スリ)の年代物屋」とでも訳せばよいか、なんとも不思議なネーミングのセンスにびっくりである。