加藤ティーシードオイルの開発秘話があれば、教えてください。
石橋公益社団法人日本茶業中央会というところを見つけて伺ったら、JA静岡経済連を紹介されました。そこで「お茶の実で化粧品を作りたいんです」と言ったら、牧之原市が手を上げてくれて、そこの農協に行って、みんなで試作品の原料を確保するため、茶の実拾いをしました。畑にしゃがんで、四つん這いになって(笑)。1月ですごく寒くて、日が暮れても数が集まらなくて。
加藤そこからTHREEが始まったんですね。ゼロから会社を立ち上げるには、人材探しも肝ですね。
石橋ずっと人探しと面接ばかりやっていますよ(笑)。
加藤合否の見極めどころは、どういったところなのでしょうか?
石橋他の企業で何をやってきたのかも大切ですが、本当に仕事ができるかどうかなんて、実際にはわかりません。だから、第一に熱意があるかどうか。第二に人柄が良いかどうかを見ます。仕事はチームでするものなので、みんなと気持ちよくコミュニケーションができて、思いやりがあることが大事。例えば野球のピッチャーにしても先発・中継ぎ・押さえとそれぞれ役割がある。適材適所の配置には気を配っているのと、新入社員には「短所を直すより長所を伸ばせ」と言っています。特に社会人になると短所を直すことを強いられますが、そうすると人間がちっちゃくなって、いいところも欠けていく。逆に人に負けない部分を磨いていくと、いずれ存在感が出てくる。例えば販売員を採用してメイクは大好きだけどカウンセリングは下手な子がいたら「スキンケアはいいからメイクだけを売りなさい」と言います。そうしてさまざまな長所を組み合わせていくと、自ずと強いチームができていきます。
[MEN’S EX 2018年3月号の記事を再構成]
撮影/前 康輔 スタイリング/斉藤くみ(SIGNO) ヘアメイク/陶山恵美(roi) 文/岡田有加(edit81) 撮影協力/モルテーニ東京
