

一方でXVの最低地上高は200mm、車両重量はフォレスターに比べておよそ200kgも軽いこともあって、いかにも軽快だ。コーナリングの気持ちよさで言えば、もちろんこちらに軍配があがる。XVもフォレスターに負けず劣らずの優れた雪道走破性能を備えていた。山形県酒田市を出発し南へ向かい、肘折温泉郷などを経由して、山形駅へと向かう全行程約200kmの試乗コースだったが、トラブルもなく快適に走り終えることができた。
ちなみにスバルがこれらの地で支持されているのは、AWD性能が優れているからだけではない。視界や空調などを含めた”総合雪国性能”によるものだ。例えば暖房をより足元が暖まりやすいよう空調ユニットを配置し、ステアリングヒーターも装備。フォレスターでは前席だけでなく後席にもシートヒーターを採用し、背中の上部にあたる位置にまでヒーターの面積を拡大。さらにヘッドライトウォッシャーやワイパーデアイサー(ガラスに凍結したワイパーを融解するための熱線)、ヒーテッドドアミラーも標準装備。これらはXVでも95%以上の装着率を誇っているという。


めったに雪の降らない都心に暮らしていると気づかないことも多いのだけれど、あらためてスバルの4WDの魅力に触れることができた。売れているものにはすべからくワケがある、ということのようだ。
文/藤野太一 写真/スバル 編集/iconic