アウディの全てを内包したフラッグシップモデル
サスペンションは、アーム類のほぼすべてをアルミ製にすることで軽量化。電子制御式可変ダンパーと組み合わせたエアサスペンションは標準装備し、コンフォート、オート、ダイナミックなど任意でモード変更が可能となっている。またオプションで、「ダイナミック オールホイール ステアリング」(四輪操舵)を用意する。

さらにボディ骨格はアルミニウムをはじめ、スチール、マグネシウム、そしてカーボン(CFRP)を組み合わせた複合素材で構成されている。技術的に難しいと言われる異素材の接合には、長年の蓄積によってアウディが得意とする最新の14種類もの接合技法が投入されており、先代比24%アップしたボディ剛性によって、ハンドリング性能の向上のみならず静粛性の向上などさまざまな場面でその恩恵を体感することができる。
特にV8エンジン搭載の「60」では、パワートレインの存在を忘れてしまうほどだ。EVを彷彿とさせるほどの静かさ、滑らかなトルクの立ち上がり、そしてしなやかな乗り心地とあいまって、ため息な出そうなほどのスムースな走りをみせる。ややもするとA7とパワートレインなどを共用するだけに似た乗り味を想像するかもしれないが、こと上質さにおいてはフラッグシップモデルとしてやはりA8に軍配があがる。
A8がアウディの技術的ショーケースとしての役割を担っていることは、初代からこの新型まで変わることがない。ちなみに、近い将来には「アウディAIアクティブサスペンション」の導入予定しており、これは乗り心地とハンドリングを改善するだけでなく、ADASと連携して、例えば側面衝突の危険性を検知すると乗員保護能力を高めるためにボディを最大80mm持ち上げ、強度の高いサイドシルなどで衝撃を受け止めるという。