
メカニズムを見ても、GT63/63Sに積まれるエンジンこそV型8気筒4.0?ツインターボで共通だが、こちらには更に直列6気筒3.0?ターボ+電動スーパーチャージャー+ISGを積むGT53/GT43まで用意される。駆動方式も、2ドアのトランスアクスルレイアウトのFRに対して、こちらは当然フロントエンジンの、電子制御式AWDとなる。
要するに2台は、まったく別のクルマと言っていい。狙いは明確。AMG GTがポルシェ911をライバルと見据えて開発されたのに対して、このAMG GT 4ドアクーペは同じポルシェのパナメーラをターゲットとしている。このセグメント、メルセデス・ベンツには定番SクラスやCLSがあるが、こちらは同じようにリッチで、しかもより若くアクティブなユーザーへとアピールしようとしているわけだ。
そうなると走りに期待しないわけにはいかない。実際、10月にはF1アメリカGPが開催されたテキサス州にあるサーキット・オブ・ジ・アメリカ(COTA)で開催されたプレス向け国際試乗会でステアリングを握った最高峰モデル、「GT63S 4マティック+」の走りっぷりは、「AMG GT」の名に相応しく、そしてパナメーラの地位を脅かすに十分な仕上がりだった。