
シャシー関連では”ポルシェ ウェットモード”の搭載がトピックとなる。これは雨天時にエンジン、トランスミッション、ESP等々の制御を変更して、より安定した走りを可能にするもの。ホイールハウス内の音響変化からウェット路面になったことを検知するとドライバーにインフォメーションが入り、設定を促す。
軽量でワイドタイヤを履く911は決して雨が得意とは言えず、実際に現行モデルでは、そこが弱点であり、今回の主要テーマのひとつだったと開発責任者のポルシェAG、アウグスト・アハライトナー氏は話していた。更に氏によれば、911カレラSのニュルブルクリンク北コースのラップタイムは現行モデルより5秒短縮されているという。つまり7分30秒を切っているはずで、スポーツカーとしてのパフォーマンスが更に高いレベルに到達しているのは間違いない。
現時点で明らかになっているのは、実はこの程度。ユーザーを焦らしながら、ゆっくり概要を明らかにしていくのがポルシェの戦略である。とは言えポルシェが、911が、ファンの期待を裏切ったことはないはずだ。こちらとしてもじっくり、このあと新型911が徐々にベールを脱いでいくのを楽しんで見守りたい。
文/島下泰久 写真/ポルシェ ジャパン 編集/iconic