シートとインテリア(写真3枚)
リアシートでの乗り心地も同様。乗り込みの際に頭を少々下げる必要はあり、また座面長が僅かに短いといった印象はあるが、座ってしまえば、ストレッチされた55mmのホイールベースも相まって、シートポジションから足下や頭上のクリアランス含め、快適そのもの。乗り心地の面では、突き上げ感はないし、ロール量、スピードもよく整えられており、唐突な動きを感じさせない。適度なタイト感も相まって、居心地の良さすら感じさせてくれる。
360PSを発生する直6/3.0Lターボエンジンは、低い回転域から大トルクを発生させ、また、レスポンスにも優れており、アクセルを少し踏み込んだところから力強い加速をしていく。そして、そのパワーはもちろんだが、意外にも扱いやすい、つまりパワーの加減がしやすいことが印象に残った。もちろん、そのままにアクセルを踏めば、さらなる大パワーが発生するが、もはや公道でそれを試すことは難しいほどだ。

ラゲッジルームは、フォルムからは想像できぬほどのスペースを確保している。その奥行きは手が届かぬと思えるほどだし、さらに高さも十分であり、よほどの大荷物でもない限り、不足を感じることはないだろうと思えた。
新型X4に与えられたスポーティな走りを中心に、感じたことをそのままに書いたが、ハンドリングにおいては、高速域だけではなく、日常での速度域でも愉しさがあり、それは日常で使えるというよりは、日常の走りすら愉しくしてくれるものだと感じた。もし、同じBMWのX3と迷ったならば、実用性を重視するならX3、ハンドリングを愉しみたいならばX4、そんな選び方をしてもいいと思う。そして、X4にするならば、迷うことなくこのX4 M40iをオススメしたい。
文/吉田直志 撮影/安達紗希子 構成/iconic