
さて、今回紹介するBMWのX4もそんなクーペスタイルSUVだ。今年9月に2世代目へとスイッチしたばかりの最新型は、先代よりもスポーティかつエレガントテイストを、デザイン、走りに極め、さらにより使えるラゲッジルーム、居心地のいいキャビンを仕立て上げている。
その走りは、まさにスポーティ。試乗したのはX4 M40iで、サーキットパフォーマンスを与えられたMモデルと、実用性を重視したレギュラーモデルとの中間となるMパフォーマンスモデルの一員だ。つまり、そもそもスポーティな生い立ちに、さらなるスポーティチューニングが与えられたモデル。タイヤサイズもフロントが245/40R21、リアが275/35R21と異形サイズを設定し、正直、見るからに乗り心地を犠牲にしているかのような印象を受けるのだが、これが、そんな想像を裏切るような快適さをも備えていた。

ハンドリングはシャープというよりも正確さを極めたBMWらしいテイストを持つ。コーナーではグイグイとインを付き、公道でアンダーステアが顔を出すことなど皆無といったほどの回頭性に驚きを覚える。とにかくよく曲がるのだ。サスペンションは締め上げられてはいるものの、そこにしなやかさも合わせもっている。もちろん、タイヤサイズなりのコトコトといった硬さは存在するが、それを硬さとは呼びたくないほどのレベルだし、むしろ路面トレース性に長けていることで安心感に繋がるような心地よさを導き出している。そう、このシャシーセッティングにしては、乗り心地はすこぶるいい。そんな印象だ。
