外しの美学を備えたSUV+α
フォルクスワーゲン ティグアン
待望のクリーンディーゼルを搭載して魅力倍増(写真3枚)
最後は、あえて王道ともいえる1台をセレクトした。それがフォルクスワーゲンのCセグメントに該当するティグアンだ。
現行ゴルフから採用された次世代技術アーキテクチャである「MQB」をSUVとして初めて搭載する事で開発の自由度などを含めコストダウンも可能にしている。
日本では2017年1月から販売を開始しているが、当初は1.4リッター直4ターボ+6速DSGのみ。同社が誇る最新の安全装備の積極搭載、実用性の高いラゲージスペースなどSUVに求められる要素はほぼ満たしていたが、求められていたのはAWDと何よりもクリーンディーゼルの採用だったはずだ。
紆余曲折?を経て、2018年8月に待望のクリーンディーゼルにAWDを組み合わせた「TDI 4MOTION」をリリースしたが、これによって同車の魅力は一気に開花したといっていいだろう。
例えは極端だが、ドラフト1位の鳴り物入りで入団したのにどうしても1軍に定着出来なかった大物選手がブレークした感じ。
搭載するクリーンディーゼルは最高出力110kW(150ps)、最大トルクは340N・m(34.7kg-m)、1.7トンのボディを余裕で走らす事ができる。気になる燃費もカタログ数値で17.2km/L、燃料タンクは63リットル。単純計算で満タンで1000km走行が可能、実際これを達成した猛者もいるというから驚きだ。
高騰を続ける燃料代、エリアにもよるが、軽油とハイオクの価格差は40円というケースも少なくない。元々の燃料代が安く、燃費性能も優れたクリーンディーゼル、欧州ではディーゼルから電動化へシフトする流れも出てきているが、日本ではまだまだイケる!まさに「質実剛健」という言葉がピッタリ、家族で良し、1人で乗るのも良し、の優等生的SUVともいる。
文/高山正寛 構成/iconic