「CLS450」のパワートレインは?(写真2枚)
一方の「CLS450」のパワートレインは、Sクラス譲りの3リッター直列6気筒エンジンにスターターとオルタネーターを兼ねたモーターであるISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と、48V電気システムを組み合わせたものだ。アイドリングのエンジン回転数は極低の520rpmに保たれ、また低速域からの加速をモーターがサポートしてくれるのですこぶるスムースに走る。パワフルさや加速のスムースさ、そして駆動方式が4WDであることが、450のセリングポイントだ。
そしてADAS(先進運転支援システム)も、Sクラスと同等の最新のものだ。ウインカーを操作するだけで自動的に車線変更してくれるアクティブレーンチェンジングアシストや、走行中にドライバーの異常を検知した場合、車両を緩やかに減速し停止するアクティブエマージェンシーストップアシストなども搭載。ACCは高速道路上では停止後30秒以内であればドライバーの操作がなくても自動的に再発進が可能になった。渋滞時にいちいちスイッチ操作をする必要がないのはとても楽ちんだ。慣れてしまうともはやこれなしではいられない体になってしまう。
ハンドリングも素直さもメルセデスらしいものだ。指の腹にぐっと力を込めるような微細な入力に対してもじわっと舵がきく。”4ドアクーペ”という言葉に惑わされがちだが、Eクラスとプラットフォームを共にするわけで、上質なドライブフィールはまさにメルセデスらしいものだ。
Eクラスでは定番すぎてつまらないという人にとって、4人乗りの呪縛から解き放たれ新型CLSは、格好の選択肢といえるかもしれない。
文/藤野太一 撮影/阿部昌也 構成/iconic