そんな海外で人気のスバル車。なかでもフォレスターは、すべて日本国内で生産している。海外向けの左ハンドル仕様を含め、日本の工場で作られ、世界各国に輸出しているのだ。
その輸出基地のひとつが神奈川県川崎市にある東扇島物流センター。ここを舞台にスバルは、メディア向けに技術紹介などを行う「SUBARUテックツアー」を実施。北米での販売が開始されたばかりの新型フォレスターを中心に、自動車運搬専用船への積み込まれる様子を見学してきた。


見学会が催された9月14日に、川崎港に入港した自動車運搬専用船は商船三井が運行する「VIOLET ACE(バイオレット エース)」。全長189.3m、全幅32.26mで、乗用車ならば合計5031台を積み込めるという。参考までにいうと、羽田空港に並ぶ4つの巨大な立体駐車場、そのひとつの収容台数が2500台弱。その2つ分+αのクルマが収容できるという巨大さ。
車両の詰め込み作業を詳しく解説!(写真9枚)
車両の積み込み作業は、船尾と船体右側に設けられたスロープを使って自走で行われる。車両移動を担当するドライバーは、立体駐車場のような構造の船内に車両を乗り入れ、シグナルマンと呼ばれるスタッフのホイッスルやハンドサインといったジェスチャーに従って、所定の位置に駐車していく。その間、サイドミラーは畳んだままで、切り返しもなし。次々と前後車両との間隔を30cm、左右10cmに停めていく様はまさにプロの仕事。そして航海中にクルマが動かないようにラッシャーと呼ばれる固縛員が、ラッシングベルトを使って床に固定していく。車両の積み込みを終えた「VIOLET ACE」は、バンクーバー、リッチモンドを経由しながら2週間ほどかけて北米に向かうという。