アウディ RS3セダン
最後はあえて”王道系”からチョイ”外して”みる(写真3枚)
ここまで2台の外しの美学を備えた車を紹介してきたら最後はあえて王道系を選んでみた。
ここで言う王道系というのはプレミアムセグメントであるドイツ御三家。ただし、ここでもBMWに3&5シリーズが、メルセデス・ベンツにC&Eクラスがあるように、アウディであればA4&A6セダンを選ぶというのが定番、しかしあえて”外し”て選んだのがコンパクトモデルであるA3/S3セダン系である。
しかし話はここで終わらない。A3/S3は2017年1月に大幅な改良を行っており、クルマとしてのパフォーマンスはさらに向上しているがやはり究極のスポーツセダンを目指すのであればA3/S3も”外して”選んだのがRS3セダンである。
何よりも搭載するパワートレーンが新開発の2.5リッター直5インタークーラ付きターボで、これに専用チューンされたquattroと7速Sトロニックが組み合わされる。
もともとこの2.5リッターエンジンは7年連続で「エンジン・オブ・ザ・イヤー」に選定された定評あるユニットだが、RS3の場合、新型ターボチャージャーの搭載などにより最高出力294kW(400ps)/5800-7000rpm、最大トルク480Nm/1700-5850rpmという圧倒的なスペックアップを施している。これによりトップスピードは280km/h、0-100km/h加速はわずか4.1秒で到達するから驚きである。
だからと言ってガチガチのマシンというわけではなく、オプションのマグネティックライドサスペンションなどを選択することでコンフォートな走りも可能にする万能な1台に仕上がっている。
専用エクステリア&インテリアの仕上がり、とくにマテリアルに対するこだわりも強く、ベースとなったA3/S3との差別化も十分図れる。
先進安全装備に関しても「アダプティブクルーズコントロール」や歩行者も含めた追突防止機能である「アウディプレセンス フロント」など充実。A3などではオプション設定となっているレベル2の自動運転技術である「トラフィックジャムアシスト」を初め、「アウディアクティブレーンアシスト」「リヤクロストラフィックアシスト」が標準装備される。
このほかにもA4やTTなどにも採用されているフルデジタルディスプレイである「バーチャルコクピット」はRS3専用設計、スポーツモードにすると中央にタコメーター、左右にタイヤ空気圧やトルクなどの情報が表示される。
プレミアムコンパクトセダンとして人気の高いA3/S3では満足できない層にミートするオンリーワンのスポーツセダンとも言えるだろう。
文/高山正寛 編集/iconic