クルマ選びの概念が変わる
新型クラウンと新型カローラを発表した、全国7会場同時開催のイベント「THE CONNECTED DAY」で、トヨタ自動車の豊田章男代表取締役社長は「今、クルマの未来が大きく変わるかもしれない局面を迎えているかもしれない。そしてクルマに求められる楽しさの概念は変わった。走る、曲がる、止まるだけではなく、”つながる”ことが求められている」とコネクティッドの重要性を熱く語っていた。

新型クラウンと新型カローラには、車両の制御ネットワーク(CAN)に接続する車載通信機(DCM)を全グレードに標準搭載している。これはトヨタが構築した情報インフラである「モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)」につなげることで、ドライバーにさまざまなコネクティッドサービスを提供するというものだ。
たとえば車両データを使ったサービスとして以下のようなものが用意されている。
<eケア走行アドバイス>
クルマに異常が発生した際、車両データから車両の状態を診断し、オペレーターがお客様に車載マイクとスピーカーを通じてアドバイスを行う。
<eケアヘルスチェックレポート>
車両データから車両の状態をセンターが常時診断し、トラブルが発生する前に、担当の販売店からお客様に整備入庫をすすめる。

<ヘルプネット>
エアバッグの展開と連動する緊急通報サービス

このほかにも人工知能を使ったバーチャルエージェントがナビの設定をする<AI音声エージェント>や、クルマと会話する<LINEマイカーアカウント>などといったオンラインサービスも充実しているが、あくまでもトヨタはドライバーと接するのが人であることを重要視している。
友山茂樹副社長は「トヨタの生産方式であるジャストインタイム、その最終地点にあるのは、工場のラインオフではなく、一人ひとりのお客様であると考えています。ダイレクトに、リアルタイムにつながることが求められている」と強調。
そのため、年末までには約5000の全トヨタ販売店でコネクティッド技術に対応できる体制を作るという。「これから発売するほぼすべてのモデルに車載通信機を搭載する」(友山茂樹副社長)と宣言するだけあって、トヨタのコネクティッドサービスの内容が進化を遂げていくことは疑いようがない。
初代プリウスが登場して、クルマ選びの基準のひとつに”燃費”が加わったとき以上に、初代コネクティッドカーの登場によって快適性や利便性、走行性能や安全性能といったクルマ選びの基準が大きく変わろうとしている。
文・編集/iconic