操作性を追求したインテリア(写真3枚)
操作性や実用性をうまくデザインしたインテリアにも注目したい。エアコンのダイアルは大型化して、手袋をしたままでも操作しやすさを考慮。周囲の木々によって室内の明るさが変化する林道ツーリングなどでも視認性を確保するために自発光メーターを採用。そのほか、フルフラットシートアレンジを可能にしたことや、ラゲッジスペースは広く、フラット形状にすることで使いやすさと実用性を高めている。
エクステリアは語るまでもなく、スクエアなボディは、運転席から周囲を確認するのに優れているし、ボディカラーとブラックパネルによるコントラストはスタイルをチープに見せることなく、むしろ、ヘビーデューティテイストを強く感じさせるものとなっている。

そこに、最新のスズキの軽自動車用エンジンを搭載し、さらには最近強く求められている先進安全装備までも採用。実は、セカンドカーとして先代ジムニーを所有しているが、当初、この最新型が乗用車的なテイストを強め、これまでのジムニー像と離れてしまうことを懸念した。

しかし、デビューしてみれば、作業車であるジムニーらしさ、実用性の高さは残っているうえに、スタイリングや装備内容、走行性能まで、ジムニーファンにも、そうでない人にも受け入れられる要素ばかり。そう、旧型ユーザーとしてひたすら羨ましいと感じるばかりだ。
ジムニーのアドバンテージは、ヘビーデューティながら、軽乗用車であることも手伝って、気軽に所有できる点にある。それはまさに頼れる道具であり、おもちゃ感覚といってもいい。
そうは言っても、ヘビーデューティモデルがベースであることをお忘れなく。快適性といった面では最近の街乗り軽自動車のレベルに届いていないし、燃費も同様。イマドキの最新レベルを期待してはいけない。その代わり、イマドキのクルマが失った愉しさが詰まっていることは、いちユーザー(旧型だけど)として保証する。
文/吉田直志 写真/大子香山 編集/iconic