見た目からは想像がつかない進化

最初は、184PSを発揮する2.5リッター仕様に乗った。コース内にはパイロンスラロームのようなセクションも用意されていたが、SUVであることを忘れさせるくらいスイスイと走る。また旧型に比べて明らかに静かで乗り心地も良くなった。
e-BOXERは、145PSのガソリンエンジンに13.6PS/65Nmを発揮するモーターを加えた仕様だ。バッテリーはXVがニッケル水素だったのに対し、リチウムイオンにアップデートされている。トルクの立ち上がりは、モーターのアシストもあってスムースだが、高回転までまわすとエンジンがそれなりに主張する。もう少しモーターに容量があればと欲張りたくなるが、CVTのケース内にモーターを収めたコンパクトな設計ゆえ現状ではこれがいっぱいのようだ。

また、スバルお得意の4WDモード「X-MODE」もより現実に則し使いやすく進化した。滑りやすい路面では「SNOW・DIRT」モードを、タイヤが埋まってしまうようなシーンでは「DEEP SNOW・MUD」モードが設定された。雨上がりの泥濘路や傾斜角30度を超える急坂路も体験したが、この新しいモードを設定しなくても、ほとんどのコースをクリアしてしまう基本性能の高さには驚いた。実はこうした悪路ほど、トルクの立ち上がりのいいe-BOXERが本領を発揮するようだ。
それぞれに試乗して、素直なハンドリング、静粛性などオンロードでの走りの質感を求めるなら2.5リッターを、燃費やオフロード性能を重視するならe-BOXERを、という選択になると思った。ただ、いずれにせよ、新型フォレスターは見た目からはとても想像がつかないほど進化を遂げていることは間違いない。