これからはAI搭載が常識となる?

メーターなどのモニターの表示はカスタマイズが可能。ドライバーの好み、走行状況によって表示させる項目や表示方法などを任意に設定できる。中央側のモニターにはタッチスクリーンを採用。
そして注目は、メルセデス初のインフォテイメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」だ。運転席に座ると目の前にメーターナセルがなく、メーターパネルとナビ画面の位置に、10.25インチのディスプレイを2つ組み合わせた大型モニターがある。従来の自動車のタッチスクリーンといえば、反応が鈍く操作にストレスを感じるものが大半だが、それがない。操作感はさながらスマートフォンだ。
そしていまどきのアップルのSiriや、アマゾンのAlexaよろしく、「ヘイ、メルセデス!」と声をかけるとシステムが起動し、AI(人口知能)を活用して、音楽やエアコンの温度操作や、アンビエントライトのカラーの変更などもできるというものだ。
最初は音声入力って気恥ずかしいし、エアコンの温度くらい自分で変えたほうが早くない? と思っていた。ところがしばらく使っていると、「I’m hot」とつぶやけば、エアコンの温度を1℃下げてくれたり、「twenty degree」と温度を指定したりすれば、それに合わせてくれる。車内で歌をうたっているようなものだと思えば、気恥ずかしさもすぐになくなった。
現在、日本語仕様の開発が進められているが、その難しさもあってまだ新型Aクラスの正式な導入タイミングは決まっていないという。とても待ち遠しい。MBUXは人とクルマとの新たなコミュニケーションを創造するものになるかもしれない。
関連記事:合言葉は「Hey, Mercedes」 新型メルセデス・ベンツAクラスの「MBUX」を試した
文/藤野太一 編集/iconic