水辺で楽しむアクティビティ。ひとことで括ってもここ日本では非常に選択肢が多い。そんな中から今回は爽快さ、絶景、癒やしをテーマに日本が誇る名水「長良川」でのラフティングを選んでみた。


モータージャーナリスト
岡崎五朗
テレビや雑誌で活躍する自動車評論家。最近は本企画のための遊び探しに勤しんでいるとか。
スポーツSUVを相棒に目指すは岐阜の長良川
今回のアクティビティはラフティングである。なぜこれを選んだのかといえば、まず時期が初夏なので水まわりで遊ぶものにしたかったこと、それと僕がこれまでチャンスはあったのに体験したことがなかったためだ。次に場所だが、水がキレイな場所がいいということで、今回は岐阜県を流れる「長良川」にした。個人的には徳島の吉野川や群馬の利根川も良かったが、天気の都合もあり岐阜を目指すことにした。
お次は相棒選びである。東京から岐阜はクルマで約5?6時間かかる。やはりGT性能に優れたモデルが望ましい。また川遊びである以上、砂浜や砂利道に降りることもあるだろうから、SUVやオフロード色の強いモデルであることも条件だ。近年、SUV人気の影響でこの2つの条件を満たすクルマは非常に多い。しかし、ここはせっかくの長距離ドライブなのだから思いっきり運転も楽しもうと、マカン、しかもGTSというスポーツグレードにしてみた。もちろん、カイエンにも用意されていたイメージカラーであり、スペシャルカラーでもあるカーマインレッドなら川沿いで映える、という計算もあってのことだ。
ルートは中央、第2を含む東名、両方が選べるが、往路は東名ルートにした。マカンにはもう何度も試乗しているが、乗る度にこれほど感心させてくれるクルマは滅多にない。SUVらしからぬ運動性能の高と、ビックリするほど快適な乗り心地には本当に惚れ惚れする。加えてGTSが積む3?V6ターボは、速さだけではなくサウンドや回転フィールといった感性領域でも非凡な性能をみせる。スポーツカーではないから音量は控えめだが、高回転域まで回していくと素晴らしく気持ちのいい音を聞かせてくれる。自分の運転が上手くなったように感じさせるハンドリングも超一級の出来映えだ。

マカンはデビューしてすでに4年が経過しているが、乗って感じる(乗らなきゃわからない)性能においては、いまなおSUVジャンルのトップに君臨すると断言できる。このあたりはさすがポルシェという他ない。
今回お世話になる「あそび屋」は、東海北陸自動車道の美並ICをおりてすぐのところにある。国道を走っている最中でさえ、美しい川面が見てとれる。途中、道の駅が複数あったので立ち寄って資料を読んでみると、長良川は「日本三大清流」の1つであり「名水百選」や「日本の水浴場88選」にも選ばれているという。あゆ釣りのスポットとしても有名な場所である。水が素晴らしくキレイなのも納得ができる。撮影の数日前には雨が降っていたので透明度はあまり期待していなかったが、予想を超える美しさである。ちなみに長良川本流にはダムがない。水量がそのまま降水量と比例する、一級河川としては全国的に珍しい存在だそうだ。