そうして生まれたのが冒頭のアルテオンだ。水平のバーを幾重にも重ねた大胆な顔つきは他のどのVWにも似ていない個性的なものだ。サイドから見ると、スポーツカーのようにホイールの中心点から延長線上にAピラーがのびており、ルーフがボディ後方に向かって鋭く傾斜している。絞り込まれたウィンドウグラフィックスなどを合わせ見るとまるでクーペのようだ。
最新デザインがアルテオンだ(写真2枚)
しかし、アルテオンの魅力は、デザインだけでなくそのパッケージングにある。外観からは想像できないほど室内は広く、後席の頭上スペースもしっかりと確保している。ハッチゲートを備えた4ドアセダンとして、ラゲッジスペースは563リットルの容積をもち、シートバックを起こしたままでゴルフバッグが3本も収納可能だ。
水平基調と曲線のいいとこ取りでデザインされた最新のVWであっても、機能主義であることに変わりはない。
アルテオンのインテリア(写真2枚)
文/藤野太一 撮影/河野敦樹 構成/iconic