「モノの精度が一桁違う!」ベントレーの最高級SUV、ベンテイガに大阪・神戸で試乗

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ベンテイガのエンジン
2015年に発表された第二世代の6リッターW12 TSIエンジンは2基のツインスクロールターボを装着し、608psの最高出力と900Nmの最大トルクを発生。従来はV8モデルにしかなかった気筒休止機構やアイドリングストップ、セーリングモードなど燃費向上のための機能が12気筒モデルにも用意されるようになった。エンジン振動を打ち消すアダプティブ・エンジンサスペンションも装備され、特に振動の少なさは驚異的だ。

おなじみの6リッターW12ユニットは直接噴射と間接噴射とを使い分ける第二世代に進化しており、いまやアイドリングストップや気筒休止、セーリング走行もできる。普段はこの上なく静粛で滑らか、それでいてドライバーが望みさえすればスーパーカー級の加速力(0-100km/h加速4.1秒)と最高速(301km/h)をいつでも発揮できるところにこのエンジンの真価があるわけだが、これに抜群の見晴らしが加わるのだから、市街地でも高速道路でも、そしてもちろんオフロードでも、もう向かうところ敵なしである。新しいW12はエネルギー効率も従来型と比べて11.9%向上しているのだそうで、EUドライブサイクルに基づく申請値で郊外11.0km/ℓ、市街地5.2km/?、混合7.8km/ℓという参考燃費が発表されている。市街地7割、高速道路3割ぐらいの比率で走行した今回の試乗では、車載の燃費計でおよそ6km/ℓを示した。2.5トン超の車重と驚愕の動力性能を考えれば優秀と言うべきだろう。



風見鶏の館の前に停車するベンテイガ
神戸異人館街にある「風見鶏の館」(1904年竣工)の前で。こんなモニュメンタルな建物を背景にしてもベンテイガは少しも輝きを失わず、静かに、しかし圧倒的な存在感を放つ。フラットに埋め込まれた細いクロームメッキのトリム、スーパーフォーミング工法によるフロントフェンダーの滑らかな曲面など、実物を目の当たりにすると、並みのクルマとは一桁違う精度感に目を奪われる。

最後に申し上げておきたいのは、メーカー希望小売価格の2739万円はあくまで”開始価格”であるということだ。特別な内外装を選ばなかったとしても、アダプティブクルーズやナイトビジョン、自動ブレーキ、オフロードモードといった、高級SUVなら付いていて当然の機能がパッケージオプションとして各々加算されていくので、それなりの仕様にするにはオプション代だけで1000万円!ということも珍しくない。今回の試乗車もオプション代を含めた車両価格が約3300万円となる。W12搭載のベンテイガには価格を抑えたオニキスエディションという限定車(2399万円)もあるが、こちらも状況は同じ。「12気筒のベントレーが2000万円台前半で買える」という報じ方は間違いではないけれど実態に即していないのだ。念のために、オプション一切なしでも売ってくれるのか訊いてみたら答えはイエスだったが、顧客の大半はフル装備を望み、オプションをひとつも注文しないような人は皆無らしい(そりゃそうだ)。本体価格だけならベンテイガより高価なSUVもあるけれど、そういう比較にあまり意味がないことは知っておいていただきたい。やはりベントレーは、ビスポークを基本とする雲の上のクルマなのである。

ペンディカの内装(写真4枚)

「セント レジス ホテル 大阪」(写真2枚)



文/内藤 毅 撮影/田中秀宏 構成/iconic

ベゼル周囲に精密なローレット加工が施されたアナログクロック。これは標準装備のクォーツ時計だが、オプションでブライトリングのトゥールビヨンも用意されている。これは何と15万ユーロもするオプション。国内ではまだ注文した人はいないそうだが(実際に購入検討まで行った人はいるらしい!)、こういう選択肢が用意されていること自体がクルマの格を表していると言えるだろう。

ベゼル周囲に精密なローレット加工が施されたアナログクロック。これは標準装備のクォーツ時計だが、オプションでブライトリングのトゥールビヨンも用意されている。これは何と15万ユーロもするオプション。国内ではまだ注文した人はいないそうだが(実際に購入検討まで行った人はいるらしい!)、こういう選択肢が用意されていること自体がクルマの格を表していると言えるだろう。

取材車のリアシートは標準の5人乗り仕様。前後席間のタンデム・ディスタンスはフライングスパーほど長くないが、着座位置が比較的低く頭上高に余裕があるためか体感的には広く感じる。オプションで左右セパレートの4人乗り仕様、または5人乗り仕様をベースに2人用のサードシートを加えた7人乗り仕様も選択できる。

取材車のリアシートは標準の5人乗り仕様。前後席間のタンデム・ディスタンスはフライングスパーほど長くないが、着座位置が比較的低く頭上高に余裕があるためか体感的には広く感じる。オプションで左右セパレートの4人乗り仕様、または5人乗り仕様をベースに2人用のサードシートを加えた7人乗り仕様も選択できる。

磨き込まれたウッドパネルやリズミカルなステッチなど、ゴージャスな雰囲気のなかにも手仕事の温かみを感じさせるインテリア。明るい内装色(取材車の内装はマグノリアとタンの2トーン)が、標準装備のパノラマサンルーフからたっぷり降り注ぐ陽光によく映える。

磨き込まれたウッドパネルやリズミカルなステッチなど、ゴージャスな雰囲気のなかにも手仕事の温かみを感じさせるインテリア。明るい内装色(取材車の内装はマグノリアとタンの2トーン)が、標準装備のパノラマサンルーフからたっぷり降り注ぐ陽光によく映える。

左右対称にこだわったダッシュボードまわり。取材車は左ハンドル車で、右ハンドル車ではA/Tセレクターとカップホルダーの左右がそっくり入れ替わる。金属パーツの多くは手作業で丁寧に仕上げられているのだそうで、深みのあるメッキの光沢が贅沢だ。回転ツマミの周囲にはベントレー伝統のローレット加工も施されている。

左右対称にこだわったダッシュボードまわり。取材車は左ハンドル車で、右ハンドル車ではA/Tセレクターとカップホルダーの左右がそっくり入れ替わる。金属パーツの多くは手作業で丁寧に仕上げられているのだそうで、深みのあるメッキの光沢が贅沢だ。回転ツマミの周囲にはベントレー伝統のローレット加工も施されている。

今回の取材拠点となった「セント レジス ホテル 大阪」。マリオット・インターナショナルの最高級ブランドであり、ベントレーにとってはワールドワイドの公式ブランドパートナーである「セント レジス ホテル」の国内第1号として2010年に開業した。

今回の取材拠点となった「セント レジス ホテル 大阪」。マリオット・インターナショナルの最高級ブランドであり、ベントレーにとってはワールドワイドの公式ブランドパートナーである「セント レジス ホテル」の国内第1号として2010年に開業した。

12階にある「セント レジス バー」では、ベントレーの世界観にインスパイアされたオリジナルカクテルを楽しむこともできる。

12階にある「セント レジス バー」では、ベントレーの世界観にインスパイアされたオリジナルカクテルを楽しむこともできる。

2025

VOL.345

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