
どんなクルマを選んだとしてもドライブや買い物には行ける。でも、ただそれだけでは人生あまりにも味気ない。乗っていて楽しくて、家族からも支持されて、しかも経済的。家族構成別にそんな夢のあるクルマを比較してみた。

周囲から「日本で最も忙しい」と評されるほどの執筆量を誇る自動車評論家。新型車の試乗のため、世界中を飛び回り、エコカーからスポーツカーまで幅広く試乗記を寄稿する。
悩みどころは一人で乗るか、複数で乗るか
一人でもドライブを楽しみたいM.E.世代にとってオープンカーほど楽しいクルマはないだろう。大体どれを選んでも走って楽しい、気持ち良いと相場は決まっているが、実際のところその楽しさ、気持ち良さの種類や質は、クルマ選びによって変わってくる。
ミニ コンバーチブルはすごく洒落ているけれど風景にすんなり溶け込む絶妙な存在感が魅力だ。クルマだけ際立つのではなく、乗る人のファッションまで込みで世界が完成する雰囲気もある。オシャレし甲斐もアリなのだ。走りっぷりは軽快でキビキビ。街中の交差点をひとつ曲がるだけでも思わず笑みがこぼれる。そんな具合で、普段使いから楽しめる。
一方のアバルト 124 スパイダーはクルマの個性、主張がかなり強め。街中でもワインディングロードでも、注目度は相当なものだ。当然、スポーツ性は文句なし。「クルマが意のままに動くって、こういうことか!」と目からウロコのハンドリングは味わってみる価値アリだ。特にオススメはMTモデル。一体感が増し、トルクがあるので走らせやすいのも魅力。
結論としては、誰かと一緒に乗ることが多いならミニ コンバーチブル、一人ストイックに走りと向き合うならアバルト124スパイダーというのが私のジャッジ。とは言え、もし逆の状況でも、きちんと楽しませてくれる懐の深さはちゃんとあるのでご安心を。
1. 走りを楽しめるスポーツ性能
2. ドライブの爽快感
3. 愛おしくなるデザイン力
“一人ならアバルトだが
複数ならミニを選ぶべし”
小回りも効く広島産のイタリア車
ABARTH 124 SPIDER

アバルト 124 スパイダー
マツダロードスターと共通のプラットフォームを持つ、2座オープンスポーツモデル。エンジンは1.4ℓターボで、ATとMTの設定がある。全長は406mmと小柄な分だけ車重も113kgと軽く、小気味良い走りが特徴。388万8000円〜399万6000円(アバルト)
ファッションとしても楽しみたい伝統の愛らしいルックス
MINI CONVERTIBLE

ミニ コンバーチブル
ひと目でミニとわかるデザインを継承する最新世代のコンバーチブルモデル。実は見た目だけでなく走りも優秀で、用意された1.5ℓ、2ℓエンジン共にスポーティな走りが楽しめる。348万円〜499万円(ミニカスタマー・インタラクション・センター)
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[MEN’S EX 2017年10月号の記事を再構成]
撮影/大子香山 構成/iconic