
どんなクルマを選んだとしてもドライブや買い物には行ける。でも、ただそれだけでは人生あまりにも味気ない。乗っていて楽しくて、家族からも支持されて、しかも経済的。家族構成別にそんな夢のあるクルマを比較してみた。

TV番組「クルマでいこう!」でも活躍する人気自動車評論家であり、本誌連載のナビゲーター。悪いモノには「悪い」とハッキリ言う、ストレートな物言い、評論にも定評がある。
SUV人気の時代だからやっぱり個性は重要
二人で過ごす時間を大切にしている、大人な夫婦には乗りやすさに配慮した上質な個性派SUVをおすすめしたい。
レネゲードはジープのエントリーモデルという位置づけだが、角張ったボディ、短いオーバーハングなど、ルックスにはジープのDNAがそこここに継承されている。遊び心満点のインテリアもジープらしい。
一方のQ2はといえば、鋭利なナイフで削り取ったような造形が特徴的だが、全体的には背が高めのハッチバックという印象が強い。インテリアもアウディのテイストを貫いていて、遊び心よりも質感を追求している。
走りにも同じことがいえる。スムースでありながらカチッとしたタッチのQ2に対し、レネゲードはよくいえば大らか、悪くいえば大味。乗り心地やハンドリングなど、採点するとQ2が勝利を収めるものの、いい意味で運転を意識させないレネゲードの乗り味も嫌いじゃない。いやかなり素敵だ。
荷物を積み込む際はテールエンドが垂直に切り立っているレネゲードのほうが有利だが、それを除けば後席を含め広さに大きな違いはなし。ただし都会生活者にとっては、Q2の「立体駐車場可」という点がアドバンテージになるだろう。そこが克服できるならレネゲードにも選ぶ価値は十分にある。普段はキッチリ、でもラフな着こなしをする機会も多いなら、選ぶべきはレネゲードだ。
1. 運転しやすいアイポイント
2. 女性も運転しやすい適度なサイズ
3. 小旅行もこなせる荷室
“幅広いファッションで
楽しむならレネゲード”
オフロードのDNAをタウンユースにも
JEEP RENEGADE

ジープ レネゲード
オフロード性能とスクエアデザインを継承したエントリーモデル。シート生地やオープンエアルーフなどの装備が、グレードごとに差別化されている。本格派ながら全長4225×全幅1805mmとコンパクト。297万円〜361万8000円(ジープ・フリー・コール)
走って、眺めて、100点のSUV
AUDI Q2

アウディ Q2
全長4200mm、立体駐車場にも入る全高1530mmというコンパクトサイズのQ2。エンジンは1ℓと1.4ℓのガソリンが用意されている。最大の武器はやはり洒落感のある内外装のデザインだ。299万円〜405万円(アウディコミュニケーションセンター)
[MEN’S EX 2017年10月号の記事を再構成]
撮影/柳田由人 構成/iconic